2007年6月16日 岡山の旅05

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 奥に向かうと惣菜や乾物の店があって、お菓子の仲卸もある。そこにある瓶詰め、またお菓子などにも昔ながらの懐かしいものがある。

 まず魚貝類を主に扱っていた総菜屋には刺身に加工されたサワラがあったし、「ままかりのマリネ」もある。

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岡山県ほどサワラの刺身を好んで食べるところはないだろう。このように予め小さなスーパーや魚屋で売ることが出来るように加工された刺身が皮付きであるというのに注目して欲しい。手前は切り身

 瀬戸内海周辺で乾物にまでタマガンゾウビラメを干しきったものを岡山では「でびら」というようだ。乾物屋で「“でべら”ですね」というと「でびら」と返事があり、ちょうどこの日見つけた香川県観音寺市のビニールにも「でびら」とある。海を挟んで香川と岡山にはたくさんの共通点がありそうだ。考えてみると次回はまず香川の中央市場を見て、岡山に入り、翌日岡山中央卸売市場というのも面白いかも。

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「でべら」もしくは「でびら」というのはタマガンゾウビラメを干し上げたもの

 お菓子や、カツオ節、お弁当などの雑多な食料品を売る店には関西らしく「さばの寿司」がある。これはバッテラというよりも、サバの棒寿司、となりにママカリ寿司がある。
 ヒモマキさんが「ママカリ寿司」を買い、そして「ここで食べてもいいですか」と返事もないのにラップを剥がして食べ始める。そこについていた醤油でヒラの刺身も食べてみるという。少々傍若無人な振る舞いとなったが、これは決してボクの性格から出たものではなく、ヒモマキさんに“右へならへ”しただけだとお思いいただきたい。
「ママカリ寿司」は甘すぎて頂けなかったが、ヒラのうまいこと。

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ママカリの寿司は甘すぎる

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マリネーも買ってみるべきだった。

 ヒモマキさんも、魚が嫌いな、きんのり丸さんもヒラのうまさに感激の声を漏らす。

 この惣菜や乾物の店で目についたのが「東京納豆」という地納豆らしきもの。でも広島産なので買うのは控える。またここにも頭だけ残して開かれた焼き穴子、「いかなごのくぎ煮」があった。

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ボクの子供の頃、1970年代くらいまで四国の片田舎では納豆を見ることがなかった。納豆というと「甘納豆」のことかと思っていたほどだ。とうぜん中国地方でも同様であるはずで、広島で作られている納豆が「東京納豆」というのも、そう言った納豆空白地帯で納豆を売りたいという努力が垣間見える

 仲卸には2時間以上いたように思える。時刻はすでに8時近い。ここでなんとかしてなだめたいのが腹の虫である。市場の「食堂は関連棟にあります」と聞いて押っ取り刀で駐車場を渡っていく。


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コメント(7)

 私は、岡山と香川って海があるので離れているように思えるのに、昔から宇高連絡線で繋がっていたり、メディアは互いに両県をカバーしていて「両県で一つの地域」って感じがしていました。
 
  デベラですが、尾道の方ではデビラと言っています。
 この尾道には地方市場があるのですが、中央市場の呉の市場よりも大きく魚貝類も多く集まっているようです。岡山から1時間半くらいで行けるので機会があれば行かれると良いですよ。

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最後に残っていたヒラの切り身は、おととい、ムニエルにして食べました。焼いても旨かったです。

生まれてこのかた、まだ四国には足を踏み入れたことがありません。

次回の香川ツアー(?)にも是非ご一緒させてください。

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こんにちは、高洲でお会いしたIです。焼きアナゴの頭が残っているのは珍しいことなんですね。播州でも焼きアナゴは有名ですが、もちろんアタマ付です。

うちでは焼きアナゴを買ってきたらアタマを落としこれを少しあぶって、付属のタレとともに鍋でさっと煮ます。香ばしさと旨みでタレの風味が増します。

付属のタレがなくても、酒と醤油とみりんとアタマがあれば、まぁまぁ美味いタレがさっと作れます。
アタマがないとできないことですね。

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日美丸さん、タマガンゾウビラメ自体も「でびら」というのでしょうか? 今回はあまりに盛りだくさんの旅でしたのでやり残したことが多すぎました。
ヒモマキバイさん、また八王子綜合卸売センターにきてください。
Iさん、ボクは播州当たりのことにも興味があるんです。だからこんどじっくりメールのやりとりをしたい。

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ぼうずコンニャクさんが興味を持たれない地域などあるのでしょうか?笑。常にあらゆる方面へ目を向けられている御姿勢に感服です。
ド素人の若造に大したことはわかりませぬが、それでも良ければいつでもメールください。m(__)m

 こちらではタマガンゾウビラメ自体を、干しても生でも「でべら」と呼びます。
 私は一度も見たことが無いのですが、昔は(今でもたまに)ガンゾウビラメが獲れていたそうで、こちらは「ほんでべら」と呼んでいたそうです。(ほん=本当の本だと思います)

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ダイスケさん、ボクが好きなのは平凡な町の平凡な街並みで、「ハレ」が嫌いで「ケ」が総てなんです。わかりづらい説明ですね。
日美丸さん、広島での呼び名に追加します

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このページは、管理人が2007年6月23日 17:54に書いたブログ記事です。

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