夏のシャコは「煮る」に限る

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 土曜日、『源七』の店頭に竹岡のシャコを見つけた。産卵後で値は安い。身の入りを確かめながら買い求めてくる。

 その昔、「シャコは塩ゆでに限る」とばかり思っていた。それが「煮てもうまい」と気づいたのは最近のことだ。青森市でホタテ養殖をしているパラ・ペツさんから、陸奥湾産の大型のシャコをいただき、その食べ方として教わったのだ。そう言えば岡山県笠岡湾内漁協でもシャコを煮てくれた。ああ、あれももう半月も前のことなのである。
 そう言えば、八王子魚市場内『源七』で「煮たシャコはうまいね」と話すと
「オレら子供の頃は甘辛く煮たシャコがおやつだったね」
 というのは東京湾の魚を扱って30年以上という、『源七』の仕入れ担当のあんちゃん。
「今のようにチョコレートやお菓子がそんなになかっただろ、毎日、おっかが用意してあんのがシャコやわたり(ガザミ)の茹でたヤツ」

『源七』の本拠地は千葉県船橋市。当地では老舗の貝問屋であり、八王子魚市場店は言うなれば支店と言ったものだろう。店頭に並んでいるのは千葉県船橋中央卸売市場からのもの。しったか(バテイラ)は白浜、アワビは大原、アサリは三番瀬、ばか(バカガイ)は木更津、富津、スズキは船橋、富津、マコガレイは富津、シャコは竹岡、富津が多い。この千葉県東京湾の魚食文化を、『源七』は毎日八王子に運んでくるのである。

 今の時期のシャコは産卵後で痩せている。そんなときには「塩ゆで」よりも「煮しゃこ」に軍配が揚がるのだ。持ち帰ったシャコを水洗いして甘辛くこってり煮上げて大皿に山盛りにする。これを家族共々無口になって、あっという間に平らげた。そして皿の底には煮汁だけが残る。これがまたうまいのである。我が家の太郎など、これをご飯にかけて三杯飯。今の時期ならとれたてのジャガイモを煮てもいい。
 煮しゃこを食べて何時も思うことは、どうしてもっとたっぷり買い込んでこなかったのだろう、ということ。子を持つ身としては夕ご飯にシャコだけ食べてもらっては困るわけで、後悔は心のなかでそっと立てるのみなのである。

市場魚貝類図鑑のシャコへ
http://www.zukan-bouz.com/koukakurui/shako/shako.html
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html


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このページは、管理人が2007年7月 1日 11:08に書いたブログ記事です。

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