八王子総合卸売協同組合『やまぎし水産』に「混み魚」という入相(いろんな魚が混ざって入っている)があり、そこに相模湾の定置でとれたメジナやカサゴ、シマウシノシタなどが無造作に入っている。ここからめぼしい魚を選んでいると、お隣『コリアンフーズ かや』から声がかかる。
「韓国風の焼き魚作ったから味見してよ。そこの(やまぎし水産の混み魚)のメジナって魚を使ったのよ」
置いてあったのはムニエルでもないし、天ぷらでもない。
「メジナを切り身にして小麦粉をつけるでしょ。それに卵をからめて焼いたの。焼くのはゴマ油ね。韓国じゃ、とにかくなんでもゴマ油で焼くの、よー」
脇にあったのは醤油、ゴマ油、唐辛子、胡麻を合わせたもの。これをのせて食べる。
メジナの身はクセがなく、上質な白身である。淡白だから塩焼きにしただけでは所謂個性がない、旨味ももうひとつだ。そのもうひとつ旨味に欠けるメジナにゴマ油で香ばしく焼きあげるこの韓国風の調理が向いているのだ。タレは鋭角的な香辛料のきいた醤油ダレ。完全に韓国の味そのものといった雰囲気がただよう。まことにうまい。
「夏には最高だね。タレにニンニクを足してもいいね。食べ始めるとやめられなくなるなー」
「だめよ全部食べちゃ。また作ってあげるから今日はここまで」
仕方なく3切れ目を手に持って『コリアンフーズ』を後にしたのであった。
市場魚貝類図鑑のメジナへ
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2007年6月16日 岡山の旅11 倉敷から高洲へ