徳島に来たらぜひお土産にしてほしいものが干しえびである。地物は一キロあたり8000円前後する高級品であるが、これほどうまいものはそんじょそこいらにはない。だからキロ当たり8000円は安いのである。これを何に使うのかというと、そのまま食ってもうまいのだが、何と言っても素麺つゆの出汁に使うのがいちばんである。
徳島県人は素麺が好きである。だからボクも夏になると素麺つゆだけは欠かさない。ちなみに徳島で素麺と言えば半田町の手延べ素麺と決まっている。これが郷里貞光町の隣なのだから夏は毎日素麺の昼ご飯だったものだ。ちなみにときどき愛媛の色つき麺の混ざっているヤツも食べていたのだけれど、これもなんだか懐かしい。(今では半田町も貞光町も、つるぎ町)
我が家の素麺つゆはいりこ、もしくはウルメ・カツオの混合節、干しえびのいずれかで出汁をとる。なかでももっとも味がいいのが干しえびのものだ。
干しえびは昆布とともに水に漬けて冷蔵庫で2,3日置く。これを弱火にかけて1時間ほどでゆらゆら沸いてくるのを待つ。アクが浮いてくるので取り去り、干しえびと昆布を取りだす。ここに上質のカツオ節をひとつまみ。これで出汁は完成である。味つけは味醂を少し、少し沸かしてアクを取りながら塩と少量の薄口醤油を加える。つゆが出来たら出汁に使った干しえびはもどしておく。これが素麺をすすりながら食べるとうまいのである。
最後にどうして素麺つゆにはカツオ節が向かないのかということを明確にしておく。簡単にいってしまうとカツオ節では旨味が重すぎるのである。この重さはカツオ節にあるたぶん酸味と甘味だと思われる。その甘味が少ない方がそれこそ清涼感を楽しむ素麺には向いているのである。
さて、やっと猛暑の夏が関東にもやってきた。これから週になんども素麺が食卓にのぼる。素麺は低カロリーだし、野菜とも相性がいい。今年は素麺で痩せることにする。
●今回の干しえびの原料はアカエビだと思われる
市場魚貝類図鑑のアカエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/akaebizoku/akaebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
2007年7月12日 四国の旅03 徳島中央卸売市場関連店舗 後の記事 »
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