最近、活けクルマエビの入荷が多い。まあ、これから冬にかけて多いというのは恒例だが、本来は段ボールの箱におがくずをと一緒に詰め込まれて流通する。大きさにもよるが高値安定でキロ当たり7000円から1万円もする。不思議なのがクルマエビだけは天然ものと養殖物に値段的な差が出ないということ。市場で見ていると野締めの天然物よりも活けの養殖ものの方が明らかに高く、また天然もので大きさにバラツキがあると、また値が上がらない。クルマエビの大きさによって使う飲食店の業種が変わってくる。例えば天ぷらやでは小振りの10グラムから20グラムほどのものを喜ぶし、寿司屋では20グラムから25グラムがいい。あまり大きくなりすぎるとそれこそ洋食でのフライにしか使えなくなるのだ。
さてクルマエビの大きさと用途などを書いたが、また大きさによって呼び名も変わる。小振りの天ぷらネタに使うものを「さいまき」、寿司ネタ用のものを「中まき」、寿司ネタとしても、天ぷらにもやや大きすぎるな、というのが「まき」である。天然物で25センチ、30センチなんてべらぼうな大きさのを見かけるが、これを「大くるま」なんていう。
ボクが考えるにクルマエビのいちばん旨いサイズは12、13センチほど、重さ20〜25グラムのものだと思っている。このサイズのエビ独特の風味、甘味、旨味、どれをとっても文句なしである。
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クルマエビの価値を上げているのが、熱を通したときの赤い色合いの鮮やかさだと思う
さて、中日、水曜日の市場はまことに寂しい限り。荷(魚貝類)自体も少ないし、人影もまばらだ。めぼしいものが何にもないので八王子魚市場内『源七』で「中まき」を数本買い求めてきた。1本25グラムちょうど。明らかに養殖ものであり、産地がわからない。
これを帰宅後撮影。茹でて、天ぷらにして味をみる。「うーーーん」とうなるほどにうまい。クルマエビがどうしてこれほどにうまいのか? しかも旬はこれからなのに。海の神さんだけが知る謎である。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、クルマエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/kurumaebi/kurumaebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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