カニの産地はいろいろある。先週食べたのは高知県の「エガニ」、そして今週は佐賀県太良町の「カニ」すなわちガザミである。ガザミはほとんど日本全国でとれる。でも量的には少ないもの。近年では中国などから輸入されるほどだから、国産品は高値で安定してきている。
代表的な産地としては青森県、山形県、三河湾、瀬戸内海や九州が挙げられる。なかでも有名なのが佐賀県太良町である。有明海に面するこの地であがるガザミを竹崎ガニ、太良ガニなどと呼び珍重する。また味にも定評があって、名物となっているのだ。
話は変わるが、ガザミの漁獲量はこのところ底辺で安定している。これは地球温暖化でガザミよりも南方系のタイワンガザミが増えていることもあるが、明らかに人為的な影響が重いとしかいいようがない。例えば諫早湾干拓など土木業界のための、土木業界と癒着する政治家の、一部利権確保(金儲け)が目的の開発である。たぶん庶民は将来泣きを見るだろうし、ここで農業を始める人に明るい将来はあるのだろうか? 日本中干拓地は膨大にあるが、そんなにうまくいっているとは思えない。耕作放棄地も多いはずだ。こんな悪質な自然破壊が生き物の再生産を阻んでしまっている。また浜辺のリゾート開発など、結局人類だけの我が儘でしかない。余談だがゴルフ関係、ゴルフをやる人が政治や経済政策に関わってはいけない。あれも人類の我が儘、悪質な自然破壊である。自分たちの悪質さを認識しながら生きていって欲しい。例えば朝、シャワーを浴びる、ペットボトルを使う、レジ袋をもらってしまう。これらも悪質なことであり、これを「いけないことだ」と認識しておく必要がある。その点ではボクもろくなもんじゃないと自覚している。出来るだけ止めようと努力もしている。ゴルフしている人にその認識がないのが不思議だ。ちょっと愚かではないか?
こんな将来的には生きるもの総てに大きなツケとなる開発、人類の我が儘がガザミを減らす結果となっているのだ。また現在でも長崎県、佐賀県などが積極的に新幹線などの推進を行っているが、これも人殺し、生き物殺しの悪質な行為としかいいようがない。この国の土建業界も悪質な政治家と癒着するのではなく明るい未来や自然保護に方向転換して欲しいな。
さて、最近盛んに入荷いてきている佐賀県のガザミ。「オスはうまいんだけど、メスはね」と八王子魚市場内『源七』店頭でも迷ってしまった。夏のオスガザミはある程度定評がある。その分値段もいいのである。メスの値段もオスにつられるように決して安くない。
ガザミの産卵期は夏、寿命は二年ほど。一年目のメスは産卵、また冬を越し、翌年の産卵後に死ぬ。だからこの九月初旬のメスは1歳と一ヶ月あまりのガザミということだ。身の味わいは産卵と深く関わるので、これを買うというのは冒険だ。迷っていると『源七』のあんちゃんが「買うのか買わねーのか、はっきりしろ」というので1ぱい400円也を買い求める。
結果はまずくはないが、感動できなかったし、満足度も低いものだった。何となく水っぽいのである。またミソの旨味も薄い。もう少し待つべきではないだろうか? ガザミのメスを食べるなら。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ガザミへ
http://www.zukan-bouz.com/kani/gazami/gazami.html
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