ボタンエビを食べたことがありますか? 「はーいあります」と答えた方、『市場魚貝類図鑑』のボタンエビのページを見て欲しい。本当に「このエビだろうか?」ね。
先ず間違いなく、その「ボタンエビ」は同じくタラバエビ科の「トヤマエビ」(これも『市場魚貝類図鑑』で見て欲しい)ではないだろうか? もしもボタンエビを食べていた、あなた、あなたは可なり希少な人である。
トヤマエビとボタンエビは棲息している地域も、また色合いもまったく違っている。トヤマエビは日本海と北海道周辺、ロシア、アラスカ、カナダでとれる。資源も豊富で市場の「ボタンエビ」のほとんどがコレ。対するにボタンエビは南は熊野灘、北は岩手県沖くらいまででしかとれない。しかもトヤマエビよりも資源が小さい。すなわちとれる量が少ないのである。
これを八王子総合卸売協同組合『やまぎし』で見つけて買ってきた。残念ながら産地不明。このように仲卸でありながら産地などに無関心という人が多くて困る。
これを剥いて刺身にする。遅い遅い深夜の一人酒。でも酒は島根の「王禄」だ(島根のヤマトシジミさんありがとう!)。味は日本酒界でも屈指のもの。
ボタンエビの甘味とまったりした旨味を口に放り込んでは超辛口の「王禄」で洗い流す。
幸せだなボクって。きっと五十路オヤジには、これが最上級の幸せだろう。外からはアオマツムシの鳴き声が聞こえてくる。まあ外来種のうるさい鳴き声に秋を感じるなんてちっとも風流ではないけれど、ボクは全然悲観していないのだ。我が人生に……、そして「王禄」がなくなったことに……。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑のボタンエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/botanebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑のトヤマエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/toyamaebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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小川原湖のシラウオ