先週から『高野水産』が続けて持ってきているもの。それは国産、たぶん三陸のものだというマカジキだ。これが、とにかく安い。なにしろコロ(ブロック)になっているのにキロあたり1500円しかしない。しかも見た目の赤がいいのである。
それで高野社長が小分けにしている途中から一切れ700円ほどを買い求めてくる。
これが驚いたことにうまいのである。この色合いからするとキロ当たり、コロで3500円と言われてもおかしくない。驚くべき安値で息を吐いている『高野水産』だから1500円なのかな? と首をひねりながらも、うまいマカジキの刺身でかるく晩酌を傾ける。
新世紀となって、築地市場でもっとも賑やかなのは大物(マグロ)競り場、それに対して、その奥の奥にひっそりあるのがカジキの競り場である。なにしろ隅田川の岸壁近くだから築地の外れといってもいいだろう。ここにマカジキ、メカジキなどが並ぶ。でも数が少ないのだ。そして圧倒的にメカジキが多い。
なぜ、マカジキがこんなに減ってしまったのか、たぶん取りすぎだろうけど、漁獲量だけの問題ではない。それは料理屋の基本的赤身がマカジキからマグロ類に変遷してしまったからだ。
戦後30年代までは「マカジキがなければ魚屋をやっていけない」ほどに流通の基本的な魚だった。これにはワケがあって、冷蔵・冷凍技術の未発達であったとき、多少時間がたっても色合いが悪くなる、味が落ちるなどの品質劣化がマカジキでは遅かったのだ。そこへいくとマグロ類では温度が高いとすぐに脂焼けしてしまう、色変わりが早いなどマグロの消費量と冷凍・冷蔵技術の発達が正比例していることがわかる。
マカジキの刺身でいっぱいやった翌日には、皮下の筋っぽいところを煮つけにした。これは酒、砂糖、醤油にお酢を加えて煮たもので、蒸し暑いときなどにはややさっぱりした味わいになり、食べやすい。これと、ミョウガ、キュウリの酢の物、古漬けタクワン、ワカメのみそ汁が残暑のときの朝ご飯である。
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ヤマブキハタのオリーブオイル焼き
アラメヌケの目次からのリンクが変です。
名前も間違ってるみたい。
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ヒモマキバイさんありがとう。現在、総てのページをニュータイプに替えているところです。しかし疲れるな!