2007年10月14日アーカイブ

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 ときどきウナギ屋で出てくるのが骨せんべいというもの。要するにウナギの骨を素揚げにしたもの。簡単至極な料理に思える。それでは簡単で手間いらずかといえば、これがなかなか面倒くさい料理なのだ。
 このウナギの骨せんべいの作り方をここで一席。

 まずは、ウナギ屋でウナギの骨をもらってくる。どこの市場にも一軒くらい淡水魚・ウナギを扱う店はあるもので、たぶん無料でくれるはず。

1/これを持ち帰ったら、よーく洗う。ウナギの骨には腎臓をはじめ苦みの素となる血液がいっぱいついている。血液を洗い流すのは水の中に漬けるのがいちばん手っ取り早い。

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最初は骨に腎臓、血液などもろもろの汚れがついている

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なんども水をかえていると、血液がの骨から抜けて白っぽくなる

2/なんども水をかえながらよく洗ってワタを取り去った骨を、新聞などに広げて水分をきる。そして料理ばさみで適当に切る。

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新聞などに広げて水分を切る

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これを適当に切る

3/冷蔵庫にラップをしないで半日ほども入れておくのだ。これで余分な水分が抜ける。後はやや低めの油でゆっくりと揚げる。

 この骨せんべい、うまいというよりも香ばしい。しかもなんだか、なんだか、アンニュイにつまんではポリポリ。面白いのはみな食べながら目があらぬ方向を向いてしまうようだ。どうやら物思いにふけるときウナギの骨せんべいというのは最適な食い物らしい。
 幸福な王子様もポリポリやりながらネコと人生を語らったりしたのだろうかねー?

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ウナギへ
http://www.zukan-bouz.com/unagi/unagi/unagi.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 なんだか恒例化しつつあるのが八王子での市場巡り、買い物案内。これを八王子土曜会と呼ぶことにあるのだけど、市場巡りはグループで行うと、なかなか楽しいのだ、というのに気づいた。なにしろ各人見るところは違っているし、男女間でも食べ物に関する思い入れには違いが出てくる。これはもっともっと参加者を募ってもいいのではないか? と勝手に考えている次第だ。

 さて13日の朝、目覚めたのは5時過ぎなのだけど、腰痛がひどくて起きあがったのは6時過ぎだった。姫を伴い市場を目差す。
 八王子魚市場をくるっと回り、八王子総合卸売センターには7時ちょうどに到着。手には鹿児島県南さつま市笠沙の魚がある。『市場寿司 たか』の店の前まで来ると2人ほど待っている人がいる。混んでいるのかなと思ったら、2人とも寿司を食べ終わったばかりだという。中にはjasminさんと海老名の海老さん。jasminさんはフランス、デンマークから帰ったばかり。買ってきていただいた図鑑が面白い。
 持参の寿司ネタをたかさんにわたす。ここで「寿司図鑑」の撮影と共にお二人には鹿児島の魚を寿司にして食べて頂く。
 やや遅れてヒモマキバイさん(別名幸福な王子様)が登場。ここでソウシハギ、シロサバフグ、モンハナシャコの握りを撮影。朝食はマイワシ、マグロのぶつぶつ丼。

『総市』から『土谷食品』へ。女将さんは竹輪麩の梱包で大忙し、オジサンは配達中。それで八王子綜合卸売協同組合『マル幸』、『河村青果』にまわる。ここで青い秋にとれる竹の子を買い込み。隣にある『恒川』で秋の果物を見る。この店、バナナの熟成蔵を持つことで有名。ここでブドウ、柿、リンゴを買う。

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●クリックすると拡大。八王子綜合卸売協同組合『マル幸』の前は大混雑

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果物が大量に並ぶ『恒川』

 いろいろ見て回ろうと思っていたのだけどjasminさんは11時までに品川に帰り着きたいという。それで『高野水産』の到着と共に大急ぎで魚を買い込む。jasminさんはアカハタ、マイワシ、しまえび(モロトゲアカエビ)、マガキ、小やり(ヤリイカ)。9時には市場を後にしたけど間に合ったろうか?
 海老名の海老さん、ヒモマキバイさんとでそらひとさん来ないねー、と探すがなにしろまだあったことがない方なのでどうしようもない。「そらひとさん、次回はお気軽に声をかけてくださいね」。
 ヒモマキバイさんは同居者はネコだけだというのに大きなオスのマダラを買い込み。海老名の海老さんも明日から家族が留守なので一人っきりだといいながら『総市』で小振りのめじまぐろ(クロマグロの幼魚)を買う。

 ここから『十一屋ジャパン』でキムチ、ぬか漬け沢庵、すぐきを買う。『大商ミート』でロースしゃぶしゃぶ肉。『カワベ』のコマちゃんのところで手羽中を買う。

 肉屋から八王子魚市場に行きましょうか? というときにヒモマキバイさんがウナギを買いたいというので『八王子淡水』へ。そう言えばこの八王子総合卸売センター水産棟は年々寂しくなる。
 ここで松本ちゃんに国産ウナギをあっという間に割いて、串を打ってもらう。値段はいくらだったのだろう。買った当人のヒモマキバイさん共々ウナギの骨のお土産をもらう。

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サウスポーのウナギ職人は非常に珍しい

 そしてそして、たかさんに別れを告げて、またまた八王子魚市場に引き返す。

 八王子魚市場の惣菜でピザ2枚。『源七』にくると海老名の海老さんとヒモマキバイさんが待っている。ボクはここでバチの頭部の肉とオマケの尾の肉で500円、あんちゃん作のこはだ700円を買う。ヒモマキバイさんと海老さんは韓国産タイラギの貝柱。かなり格安なのにビックリする。

 八王子魚市場を後に姫と八王子大和田の『ふれあい市場』で野菜と卵。横山町の『岩本製麺』で地粉うどん、ラーメンの麺、『神山豆腐店』で木綿豆腐を買う。この岩本製麺、神山豆腐店ともに非常に優れた店であって、ボクとしてはもっともっと名が知れてもいいと思っている。

 帰宅は11時過ぎ。パソコンに向かって3時間ほど同定。疲れ果ててシャワーを浴びて1時間ほど居眠り。6時過ぎまで画像の整理・保存、「市場魚貝類図鑑」の改訂。

 夕食はシロサバフグの鍋、生ガキ、バチの頭部の肉と尾の肉の刺身、こはだ、ツバメコノシロの塩焼き、ウナギの骨煎餅。マガキは20入りの大粒のもの。さすがにこのサイズはうまいね。久しぶりに食べるツバメコノシロの塩焼きはやっぱりいい味だ。
 酒は宮城県の「一ノ蔵 無鑑査辛口」。9時過ぎに「アドマチック天国 田端」を見ている間に眠くなる。その後1時間だけ画像の整理。11時過ぎにダウン。

●みなさん、市場に来て遊びませんか? ボク、ぼうずコンニャクが気軽に御案内しまーす。
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

鹿児島県の魚貝類

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鹿児島県南さつま市笠沙の魚貝類が13日に我が家に送られてきた。送り主は笠沙在住のわかしおさん。これが非常に面白いものばかり。整理に2日間を要してしまったが、ここに一覧を載せる。

魚類/アオヤガラ、イケガツオ、ウスバハギ、オキザヨリ、オニアジ、ギンガメアジ、シロフチトビウオ(初見)、マルヒラアジ(初見)、ミナミハタンポ、ミナミヒメジ(初見)、ヒメコトヒキ、ニセタカサゴ、ソウシハギ、ウミテング(初見)、ナミダフグ(初見)、シロサバフグ
甲殻類/モンハナシャコ(初見)
軟体類/ヌノメアカガイ

わかしおさんには感謝いたします。

わかしおさんの「お魚三昧生活」へ
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/komendago


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秋のサヨリ

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 市場でサヨリを買おうとすると、きっと誰かが「吉永サヨリちゃん」と言う。まあ年齢は50歳以上に限られるが吉永小百合の根強い人気を感じると共に、「小百合世代」ではないボクには着いていけない。ちなみに吉永小百合の全盛期は昭和30年代(1960年代)であり、しかも映画が主要だったはずだ。ボクがこのようなドラマや映画に興味をもったのは1970年前後からであり、絶対に「小百合世代」もしくは「小百合スト」ではない。
 そして今回は続けて「秋なのにサヨリちゃんかえ?」とくる。サヨリの旬は冬から晩春までと思いこんでいる人が多いのだ。まあボク自身もそうではある。でも魚貝類を調べている限り、年中旬にかかわらず魚は食べてみる。

 まあまあ、閑話休題。
 今回のサヨリは八王子総合卸売センター『ケン水産』で見つけたもの。産地不明だがとにかく魚体の美しさから、5、6本買い込んだ。買い込んだとき表面がざらつき、やや硬くしまっている感じを受けて、これは脂はないに違いないと確信する。サヨリに脂というのも変だが、適度な柔らかさには当然脂の存在が関わっている。脂がある方が柔らかい。もともと脂の少ないサヨリでも旬の春には微かに脂から来る柔らかさがあり、それは手に取ると感じられるものである。

 その脂のないサヨリを単に刺身にする。これがうまかったのだ。しかも小振りであり、脂もほとんど無いに等しいに関わらず。そのときサヨリのうまさはその微かな苦みと、上品ではあるが血合いからくる酸味にあるのではないかと思った。この血合いからは旨味すら感じられるのだ。

 ううううーん、吉永サヨリ恐るべし。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、サヨリへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/datu/sayori.html


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