これは名品だ! 豪海他人丼“サンマ、目光、野沢菜”

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 土曜日の朝飯は『市場寿司 たか』で“豪海ぶつぶつ丼”と決めている。これはその日のネタから背の青い魚を中心にとにかく小さく刻んで、すし飯にのせるというもの。毎回ネタが違うのは当然だけど、うまいのやら、もの足りないのやら、いろいろ。いろいろだから飽きが来ないわけで、わがままなヤツラばかりの市場人にはつとに人気が高い。

 そして、そして先の土曜日の“ぶうぶつ丼”が素晴らしいものだった。
 その日のネタから旬のサンマに東北は福島からきた「目光(マルアオメエソ)」。どっちも「握りにしても最高だ!」というもので赤の他人ながら仲良く丼に入って頂く。そこに来るのがタクワンではなくて野沢菜というのがちょいと気にくわない。「どうしてタクワンじゃないの」と文句を言うと、
「だって野沢菜好きなんだよ。野沢菜巻ってのもうまいんだぞ」
 たかさん、子供っぽい言い方は止めようね。孫がいるのに年甲斐もない。

 その内、「しかたないねー」なんて長屋のご隠居みたいなことを言いながら、とにかくサンマと目光(マルアオメエソ)、野沢菜を刻んで「豪海他人丼“サンマ、目光、野沢菜”」の出来上がりだ。

 意外なことにサンマと目光(マルアオメエソ)の脂からくる甘味が野沢菜に合う。サンマと目光の味わいは、方や〈回遊魚の持つ酸味を帯びたもの〉と、〈深海魚のコクがあるものの単一な味わい〉という違いがあるものの「脂を伴った甘さ」という点では共通する。そこに曲をもたらすのが青臭い辛みを伴った野沢菜の存在である。サンマ、野沢菜、目光、野沢菜と食って、とても激しくうまいのはどうしてだろうね。困った困った箸が止まらないと思う間もなく丼は底が見えてくる。コレじゃもの足りないなー、今日は“サンマ、サーモン、こはだ、野沢菜”でもう一杯いきたいなーと店の外を見ると席の空くのを待つ人がいる。
“豪海ぶつぶつ丼”の唯一の欠点は店がたて込んでくるとお願いできないことだ。わがままな市場人の中には「それでも、どうしても、お願い、たかさん」と注文するヤカラがいるが、ボクはそんな非常識な人間ではない。ちょいと後ろ髪を引かれながら店を後にするのだ。

市場寿司 たか
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八王子の市場に関しては
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このページは、管理人が2007年10月 8日 09:09に書いたブログ記事です。

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