エッチュウバイの甘辛煮

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 居酒屋の主人がうれしそうに「これくらいのがいいね」と発泡をのぞき込んで、「1キロくらいくれる」と買い込んでいく。目の前にあるのが山口県萩から入荷してきている白ばい(エッチュウバイ)である。そこへ、もう一人来て、「まだまだ大きさが揃っていない」と自分で大きさを揃えて小さいのばかり500グラムくらい買い込んだ。

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これを大中小に分けると、もっともっと売れると思う。値段も上がるだろう

 白ばい(エッチュウバイ)は山口県、島根県、鳥取県から毎日のように入荷してくる。多くは殻長4、5センチ、ときに7、8センチほどのものばかり。関東の多くの飲食店ではこれを酒蒸しにしたり、煮たりする。
 その味つけは千差万別であるが、料理の先付け、もしくは関東での「突き出し」用に3個、もしくは5個で一人前できるサイズをもっともよしとする。すなわちエッチュウバイは煮るための巻き貝なのだ。これが間違いであることはなんども書いてきたのでここではおく。でも市場で見る限り仕入れ人がもっとも好むサイズがあり、しかも大きさが揃っているほどいいとしているのは間違いない。

 これを100グラム買う。「100じゃ、なんにも出来ないだろう」。『マル幸』のクマゴロウが老眼鏡をずらして言い捨てる。これが税込みで126円。

 帰宅して撮影を済ませて、料理にかかる。少ない量なので普通に煮てはうまくいきそうにない。『源七』のあんちゃんに教わった甘辛煮にする。これは甘辛い地(醤油、砂糖、酒)を煮立てて、ここで転がしながら火を通す。エッチュウバイはこの煮汁のなかで熱を冷ます。

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 見た目は悪いし、食べるときにべたべたする。こまったもんだけど、うまいのだ。しかもエチュウバイは煮ても硬くならない。これをハッサクの酎ハイで流し込む。これは合わないねー。むしろ麦焼酎のほうがいい。もっといいのは島根の「王禄」だけど、昨日飲みきってしまっている。残念だー。

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コメント(2)

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エッチュウバイの揃いが悪い原因を調べてみました。

エッチュウバイの最大の市場が金沢にあり、島根県産の場合は大半を金沢に一度送り、金沢で金沢市場好みのものを抜き取られ、その残りが築地に行っている、そういう流通経路をたどっているようです。

金沢で選別された際に地元島根ではそろえられていたものが、まぜられるために揃いが悪くなる、産地も曖昧になることもある・・・全てがそうではないかも知れませんが非常に残念な話です。

金沢の方が良い値段がつくという話もありますが、築地に直送するルートを重視するとか、次の一手を考える必要がありそうです。

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ヤマトシジミさん、東京直送便というのはいいですね。荷受けとも相談されてはいかがですか?
また確かに金沢ではよく「白ばい」を食べましたね。居酒屋でも旅館でも必ずついています。

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このページは、管理人が2007年10月13日 18:08に書いたブログ記事です。

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