カイワリという魚をご存じだろうか? 小さくて丸くて、なんとも愛くるしい。そんなことを書いても“食べる”という話になると意味がないと思われるかも知れない。でも味も飛びきりいい。カイワリは姿よし、味わいよしの優れた魚なのである。……もちろん人間の身勝手な評価だけど。
今回のカイワリは体長15センチ弱。小さな個体だがこれでも立派な成魚。だいたい釣りの対象魚でもあるけど体長30センチなんてのが上がると魚拓ものとされる。普通釣りでも市場でも見かけて20センチ強、小さいと14、15センチが普通だ。
この15センチほどの形を下ろして、片身を指で一筋になぞると滑りを感じるほどにしっとりしている。この感触は確実に脂である。これを慌ただしく刺身に造ってみる。
そぎ作りにして脂が雲のように見えている。切り口に斜めに走る繊細な筋にも白さがあって、これも脂だろう。
この味わいの甘さのほとんどは脂から来るもので、そこに旨味が余韻を醸し出す。
今回は真昼の食事時でもない試食のための刺身作りであるのが恨めしい。ほんの4、5切れ食べて家族の夕食に残す。と言っても家族も味見程度だけどね。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カイワリへ
http://www.zukan-bouz.com/aji/hiraaji/kaiwari.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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2007年11月10日の八王子土曜会