2007年12月11日アーカイブ

明日は沼津です

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 明日は久しぶりの沼津魚市場行です。
 浅曳きも始まって、期待大。
 ボクを見かけたら声をかけてください。


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

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 八王子魚市場に着いた途端目に飛び込んできたのが、見事な「むき鮫」。これは北の海に多いアブラツノザメのはらわたを出し、厚い皮を剥いた物である。
 産地は青森、そして「むき鮫」と言えば田向商店だ。アブラツノザメは東北では普通のサメであり、高級な練り製品などに使われる。けれども大型で見事なものは鮮魚としていろいろ料理に生かせるのだ。

 我がサイトでお馴染みの田向さんが出荷してきたアブラツノザメの特徴は、触るとわかるほどの脂ののりである。そして身色のきれいなこと。
「これ一本買うよ」
 言ったものの既に売却済み。ちょっと残念であるが、これからどんどん出荷してくるのだろう? さて煮つけにムニエルに、フライに、いろいろ料理法を考えて待つかな?

青森県青森市「田向商店」
http://www.tamukaisyoten.co.jp/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アブラツノザメ
http://www.zukan-bouz.com/sameei/tunozame/aburatunozame.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 大都魚類での反省会の後、8人で二次会へ。ボクが築地の怪人、つきじろうさんにリクエストしたのが「多け乃(たけの)」である。私が初めて築地に足を踏み入れてはや30年なのであるが、飯を食うならこの店がいちばんうまいと思っている。この思い込みなど、毎朝築地で3食は食べている、つきじろうさんには“お笑い”かも知れないが、とにかく「魚のうまい築地の店」というと場内にはなく、この店が浮かんでくる。

 問題は過去に定食しか食べたことがなく、ビールはともかく日本酒が飲めるのかが不安だった。そんな不安は、つきじろうさんがすぐに払拭してくれる。さっそく『多け乃』の二階を予約して、場外に出る。ここでヒモマキバイさんは忙しそうに「明日の宴会用の魚が足りない」といってもう一度場内に。
 途中、場外の「三軒屋」で血合いありのかつお節を買い込む。この店はお願いしてから削ってくれるし、店の人も親切。この日、古草さんと、キヌバリさんが一緒で、店のオジサン、あんまり2人が美しいので、ボクが削ってもらった残りをプレゼントしていた。

『多け乃』は晴海通りから路地を入ったところで、なかなか見つけづらい場所にある。しかも方向音痴のボクは過去に晴海通りからしか来たことがなく、鮟鱇さん船頭で路地裏に突然みつけたときには別の店かと思った。しかし中に入ると、いつものようにたくさんの品書きの紙が下がり、そこから階段をトントンと上がると、ヒモマキバイさん、つきじろうさんたちが待っていてくれた。既にカワハギの刺身などが注文されていて、つきじろうさんが馴れた手つきでコップを配り、ウーロン茶を冷蔵庫から出して、どんどん机の上を宴会らしくしていってくれる。そして乾杯してのビールがうまいね。

 さて、料理はなにがいいだろう。考えるまでもない。名物の天ぷら盛り合わせ、刺身盛り合わせに、煮つけに、ポテトサラダ。

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 二階にいるのは我々だけで、従業員の方はいない。どうやって注文するのか? というのを、つきじろうさんが説明してくれる。それは階段を上がって冷蔵庫の真横。そこに塩化ビニールのパイプがあって、そこに紙切れに書いた注文を入れるというわけだ。それが一階についてからの段取りもいいのだろうな。刺身も天ぷらも、ほどよい間でやってくる。この素早さこそいい店の最低条件なのである。

 大皿に盛られた刺身。墨いか(コウイカ)、メバチマグロの赤身、なかずみ(コノシロの15センチ前後)、わらさ(ブリの50センチ前後のもの)、あわび(メカイアワビかな?)はなんとなくわかるが白身が難しい。ヒラメ、ホウボウ、そしてもうひとつがどうしてもわからない。ひょっとしたらマトウダイかもしれない。やはり白身というのは難しい。

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 どれも鮮度が良く、吟味されている。また赤身がうまいのは特筆すべきかも。

 長太郎さんとは利根川の話、古草さんの絵、話題は尽きず、酒がクイクイ進むほどに楽しいな。(でも、帰り着いたら、何を話したかぜんぜん憶えていない)

 次にまたまた大皿三枚の天ぷらがくる。穴子(マアナゴ)にシロギスに、かき揚げ。このかき揚げが丸くネギ一杯で、中にはイカらしいものが入っている。天ぷらもカラリと揚がって、軽い味わいなのがさすがだ。

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 そこに真っ黒な煮魚。ヒラメの頭などいろんな魚のアラが放り込まれ、ざっかけなく煮つけられている。煮汁の黒さとは裏腹にさっぱりした味わいなのも、技ありだね。

 たくさんおしゃべりし、皆さんと仲良くなり、ビールも冷酒(伏見の『富翁』)も机に並びきらないくらい飲み、うまいものてんこ盛りで満足度200パーセントの宴となった。これで支払はひとり4000円ほど。やはりボクは築地じゃ『多け乃』がいちばんだな。改めて思うのだった。

 蛇足ですけど、ぼうずコンニャクは一度一緒に酒を飲んだ人は親戚になるのだ、と思ってしまうクセがある。ということで今回も親戚が増えたなー!

一日十食、つきじろうさんの『春は築地で朝ご飯』
http://tsukijigo.cocolog-nifty.com/blog/


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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 ムロアジの仲間の味の特徴は“干物にしてうまい”ということ。特に冬になってオアカムロに脂がのってきて、その干物も旬を迎えているわけで、市場で見つけてはせっせと干物作りに励む。

 我が家ではアジ科の魚は総て背開きにする。今回の三重県産は背開きした切り口からして白濁して、頭をなし割にする包丁に脂がべっとりと着いている。
 さてどうして背開きかというと、初めて作った干物を背開きにしただけの理由で、深い意味合いはない。よく干物の開き方の説明で腹側、背側の利点をアレコレ書いているが、どうも説明に説得力がない。きっと産地でも昔からのやり方だからという「あまり深く考えないで」やっているだけだと思えてならない。

 これに振り塩をして、もう一度開いたものをとじてラップで密封してひと晩寝かす。家庭で作る干物は当然あまりたくさん作るわけではなく、ボクなど1匹でも2匹でもかまわずに干物にしてしまう。というわけで例えば干してから「えん蒸(干物を束ねて密閉してねかす)」できるわけでもなく、また立て塩にして塩水をもなんども使うわけでもない。すなわちアミノ酸発酵(熟成)させる余地がないのだ。振り塩にするのは立て塩は塩加減、つける時間が難しく、「いつもの塩焼き」のように味つけするほうがわかりやすい。
 要するに塩加減は塩焼きと同じ、熟成は干す前に寝かせることで補うのが我が家風。

 これを初冬の素晴らしく晴れ上がった日に、8時間ほど干し上げる。この日は適度に風があり、吊した干物がゆらゆらと揺れている。絶好の干物日和だ。

 これを翌日、お昼ご飯のおかずにする。大きすぎるので半身にして、焼きながら、ワクワクするような香りが立ち。「早く焼けないかな」とそわそわする。
 残りご飯を温めて、みそ汁はインスタント(八王子総合卸売センター『総一商事部』で買ったもの。最近のものはよくできている)だけど、なかなか主菜が出来上がらないのだ。
 やっと焼き上がって干物をむしり始めると食卓に走りのぼってきた野生むき出しの動物がいる。これがまるで獲物を見つけたチータのような姿勢をしている。ということは、やっぱり干物に突進してきた。
 あとは猫との戦いとなった。仕方なく尾の方も焼き、仲良く食べる。この猫にもわかる味の良さというのは本物かもしれない。まず香りがいいし、旨味が強く、身質も素晴らしい。

 猫を追い払いながら食べても、あまりじっくり味わえるということにはならないようだ。うまいことはうまいが、満足そうに手をなんどもなめなめ、顔をぬぐう猫ほどにはオアカムロの味を楽しめなかった。
 次回は猫の寝ている間に食べることにするのだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、オアカムロへ
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 八王子魚市場内『源七』の若だんなにメカジキの切り落としをもらって、普通は煮つけて晩酌のアテにするのだけど、主夫としてはたまには子供にこびた料理を作らなきゃならない。ということでメンチカツ風にフライを作る。
 作り方はいたって簡単至極。
 メカジキをとんとんと包丁でミンチ状にする。
 玉ねぎのみじん切りをフライパンで炒めてさましておく。
 メカジキのミンチ、炒め玉ねぎ、ほんの少しの牛乳、セロリの青い部分、塩、ナツメグ、コショウ、小麦粉少々を良く混ぜ合わせる。

 これにパン粉をつけて揚げるだけだ。できるだけ揚げたてを食べて欲しいのでお父さんは台所。家族は食卓で揚がるのを待っているというのがベスト。

 これはあまり魚臭くない魚料理でご飯にもパンにも合う。またメカジキの切り落としは脂がのっているので、揚げたてはトロっと軟らかく、味に膨らみがある。
 お父さんは太郎にお願いして、一個だけ分けていただき発泡酒の友とする。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、メカジキへ
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