寒くなるとキビナゴの入荷が増えてくる。キビナゴはたくさんとれる時期が旬である。その上、値段は安く、市場では箱売りとなる。当然、2キロ、3キロと買い込むことになると、大量消費するための算段が必要となる。そんなとき必ず作るのが干物である。
干物には家庭で作った方がうまいものと、市販のものがいいものに分かれる。市販のものでうまいものというと干すときに熟成が必要なもので、例えばキビナゴのような小魚だと、この熟成がむしろ無駄な苦みとなってしまう。だからうまいキビナゴの干物は家庭で作るに限るのだ。
さて、実際にキビナゴを一箱買い込む。そのあらかたを干物にし、そして夕食には鍋、刺身が定番だ。今回は鍋、刺身は置いて、さて干物作りの話。
八王子総合卸売センター『総市』水産部で見つけたのが愛媛県産のもの。一箱2キロを半分だけ買う。この値段が400円なり。
鍋用をとりのけて、まずは大きめの発泡に放り込み、上から塩をふる。この塩加減はやや控えめに。
ここで20分ほど待つ。ただ待っていてもつまらないので『市場寿司 たか』でお茶をみながら無駄話。
20分たったら、これを水洗いする。
これを発泡のフタの上に揚げ、斜めにして少し置き水切り、持ち帰る。
後は干しザルに並べてしっかりと干す。このときネコなどに注意すること。ザルに広げる最中にも油断は禁物。
キビナゴはやや硬めにしっかり干した方がうまい。
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ザルを傾けるとパラパラとする感じが、干しあがり
この脂ののった時期のキビナゴの干物の味をどう表現すべきだろう。その魅力の最大のものはやはり旨味と適度な苦み、脂から来る甘味かな? とにかく食べても食べても食べ飽きない。
我が家に松太郎というネコがいて、ボクが食べている干物の半分はくれるものと考えているようだ。でもキビナゴだけは2本しかあげない。面白いのはキビナゴの干物をあげると「ウニャー、ウニャー」と鳴きながら食べている。この「ウニャー」は「うまい」なんだろうか? ネコ研究家のヒモマキバイさんにお聞きしたい衝動に駆られる。まあとにかく「ウニャー」と鳴いても、もうあげないからね。
さて、朝昼晩、お茶請けに食べてもうまいものだが、ボクとしてはやっぱり肴としたい。キビナゴの干物にビール、合うぞ! 例えば熱燗、合うなー。焼酎、もっといいかも。ということで酒の進むこと。
後々、必要となってくるのは食べ過ぎない自制心だけかな?
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、キビナゴへ
http://www.zukan-bouz.com/nisin/kibinago.html
八王子の市場に関しては
http://www.zukan-bouz.com/zkan/sagasu/toukyou/hatiouji/hatiouji.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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2007年12月22日の八王子干物会