滝沢馬琴も食べた「鯔開き」

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 昨年来なんども読み返しているのが「馬琴一家の江戸暮らし」(高牧實 中公新書)。そこに「鯔開き」というのが出てくる。
 嘉永元年(1848年 ペリー来航の数年前)のこと「風来猫(迷い猫)が飛び込んできた。妊娠していて子猫を4匹生み、知り合いにそれぞれ譲り渡す」。その仔猫と一緒に添えて送られたのが、かつお節、鯔開きなどだ。
 江戸時代、ボラは高級魚で祝祭などに使われていた。これが昭和初期まで続いていたのは「沖の百万町歩で養殖が行われていた」ことでもわかる。参考/『青べか物語』(山本周五郎)他
 当然、冷蔵法などない江戸時代だから、とったら加工する。その加工法のひとつが開き干しであったわけだ。

 ボラは刺身にしても、煮ても焼いてもうまい。その上、廉価だ。唯一問題となってくるのが海底の泥を食って有機質を漉しとって食べているので、環境によっては身に臭みを持つこと。最近では内湾の表面的な汚れが解消されつつあるのか、このような臭いボラは少なくなっている。

 さて年末に見つけたのが銚子産のボラ。値段はキロあたり500円と格安だ。買い求めたのは八王子総合卸売センター『総市』であって、勝手知ったる道具類を借りて、開く。
 開いたら、振り塩をして元通りに身をとじてビニール袋にいれて密封する。

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ビニールをグルグルと巻いて、ガムテープでとめる

 このまま寝かすこと一日、天日にて二日干す。
 12月の寒い風を受けて、よーく干し上がったものを、そのまま冷蔵庫で2日ほど密閉して保存。
 その後、もう一度半日干し、冷凍する。

 冷凍庫からとりだし、これを正月の肴とする。家族は実家に行っており、まことに静かな元日である。

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 鯔開きを飛騨焜炉に乗せると、すぐにジュウジュウと脂かしたたり落ちる。これをコンロ乗せたまま、少しずつ食らう。
 熟成が利いているのか、微かな渋みがあり、そこにアミノ酸からくる深い旨味が舌を押し下げる。

 合わせますのは島根県の銘酒「王禄 本醸造」の熱燗。このような旨味成分の多い干物には、燗あがりする酒でなければならぬのだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ボラへ
http://www.zukan-bouz.com/boramoku/bora.html


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コメント(4)

あけましておめでとうございます
今年もさまざまな魚介の紹介を楽しみにしてます。
>内湾の表面的な汚れが解消されつつあるのか
東京湾では数字で計測できる「水質」は改善していますが
意外と「ゴミ」は減っていないように思えます。
元旦から湾奥の人工磯に釣行しましたが
各種ビニール袋・空き缶・ペットボトルなどが
非常に目立ちました。
潮止まりの時間に自分の周りのゴミを少しだけ
集めましたがすぐに備え付けのゴミ箱が一杯に
なるくらい
たくさんのゴミが散乱・漂着していました。
これらを捨てた人たちに
「あなたがゴミを捨てた海の魚を私たちはいただいているのだ!」
と本当に腹が立ちながら,人の振りみて我が振り
と思い返したことでした。
数字でみる水質は良くなっても,底はまだヘドロがちだし,ゴミは多い。
もっと海を大切に,勿論つながる川も林も山も。
そんなことを思った元旦でした。
今年も宜しくお願いします。

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あ2さん、わかりますね、その気持ち。
ぼうずコンニャクのモットーは信じられる人は総て親戚だというものですので、今年もよろしくお願いします。

ボラおいしそう〜。
手間ひまを惜しまぬぼうずコンニャクさんにいつも脱帽です♪

ゴミのお話、

釣り人「お前らダイバーがいるから魚つれねーんだ」
ダイバー「お前ら釣り人いるから潜れねーんだ」
ダイバー「そもそもお前ら釣り糸だのなんだのゴミをまき散らかすなよ」
 (ぼやきながらタバコを捨てる)
釣り人「お前らがアマモを荒らすから魚が減るんだ」
 (ぼやきながらタバコを海に投げる)

口先だけの人間にならないよう努めますっ!

本年もよろしくお願い申し上げます♪

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キヌバリさん(この名前きれいだな!)、防波堤や磯で釣りをしていると嫌なことがいっぱいありますね。
これは海を爽やかだな! なんて遠くから見ている人にはわかりませんね。
でも防波堤釣りはマナーさえ守れば、すごく楽しいんですけどね。
ちなみにボクは防波堤からのカゴ釣りに反対しています。

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このページは、管理人が2008年1月 3日 15:06に書いたブログ記事です。

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