マサバ料理三題の二 さば塩

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 マサバ料理の頂点に立つものは何か? これは簡単ですね。「さば塩」以外に考えられない。
 サバの塩焼きなんてどこでも食べられるだろう、と思っている人は、お魚を見る目がない。もしくは観察力に劣る。
 最近面白いものでファミリーレストラン(「ファミリーレストラン」と言ったら、娘に「それ何?」と聞かれた「ファミレス」が正しいらしい)、コンビニなどでも「サバ関連」の料理(商品)をしばしば見かける。でもそのサバの文様を見てもらいたい。そこにはくっきりと縞模様が出ている。
 昨日の昼下がり、コンビニ(am-pm)に「サケのお握り(ボクは関西語圏なので「おむすび」ではない)」を探していたら、一個も残っていない。仕方なくしめ鯖のお寿司というのがあって買ったら、ここにもくっきりと縞模様。この「サバ」というのがノルウェーなどから入されているタイセイヨウサバである。(このコンビニの材料の表示は単に塩サバだった。am-pmももっとこの辺を考えなければダメだぞ)
 実を言うと、近年では国産のマサバを使った料理(商品)はますます値上がりしていて、なかなかスーパーなどでも見つからない。

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マサバ料理一夜目。しめ鯖、サバのいり焼き、塩サバはビニール袋で密閉

 だから「サバ塩」は自家製するに限る。
 やり方は簡単至極、だれでも作れるもの。サバを三枚に卸して、中骨を外して、塩焼き加減で振り塩。このとき一緒に中骨にも塩をすて、後々船場汁にする。
 これをビニール袋に入れて密封、一夜おいてから焼くだけだ。

 朝ご飯用にサバ塩を焼く。我が家ではいたって普通の魚焼きに、もう二枚ほど焼き網(お餅を焼くもの)を重ねて強火で焼く。ときに焼き網を三枚重ねて火加減しながら、ほんの数分でサバ塩は焼き上がるのだ。
 脂ののったサバは自らの油で、その表面を唐揚げにするごとく揚げ、そして身の中ほどには旨味を含んだ水分を閉じこめる。

 これは焼き上げたら一気に、間髪入れずに食べるに限る。だから酒の肴というよりは、ご飯のおかずの方がサバ塩の偉大さをより感じられることになる。
 何しろマサバの旨味は膨大であって、焼くことで最大限に引き出される。
 微かな渋み、これが甘味と旨味をより引き出す媒体となり、繊維質の練り絹のような身の食感自体が心地よい。ましてや揚げた如く、香ばしい皮といったら、忠実に例えるべき言葉がない。
 ここで書いておかなければいけないことは、この季節、マサバの「脂ののり具合」はやや低下してきていることだ。だから値段も下がってきている。それでも「こんなにうまいのか」と驚愕させられるほどにマサバは偉大だ。

 朝ご飯に二枚のサバ塩、他にいろいろ料理が並んでいても、消え去るのは一瞬でしかない。ポテトサラダが寂しそうだし、奮発した千枚漬けも「そう言えばあったなー」なんて存在感が薄い。納豆君などは、それこそ「出さなければよかった」なんて、可愛そうじゃないか。ボクがサバ塩で困るのは一極集中型朝ご飯になることだけなのだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マサバへ
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タイセイヨウサバへ
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コメント(4)

おはようございます。
サバ塩は、大好きです。焼き魚が、魚料理?魚の食べ方で一番美味しいと思っていまが、サバ塩だけでなく、サバのいり焼きに挑戦したいと思います。今朝の朝食は、山漬けくらいしょっぱい新巻鮭でした〜

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ラオウさん、島根では「いり焼き」のことを「へかやき」というそうです。
不思議な名前ですね。
家庭で簡単に出来ますのでお試しください。
それと塩鮭は「塩辛い方がうまいのか?」というのも面白いですね。
我がサイトの重要なテーマです。

「へかやき」ですか!?聞いたことなかったです。近々挑戦してみます。
ドギ汁の話で、ゴッコの話が出てましたね!本当に感動した美味しい鍋の一つです。魚の処理の仕方が良かったのか、忘年会をお寿司屋さんでやったときに(北海道)あの味に感動しました。お醤油ベースでした。個人的には、ゼラチンの感じもアンコウ以上に好きです。アンコウの肝より、ゴッコのぶりっこが好みです。ハタハタより若干薄い皮の卵も鍋にはぴったりだと思います。個人的な感想ばかりですみません。
最後に、鮭は甘塩・薄味の方が好みです。昔は、流通の関係・食生活の違いから、がっちり塩の利いた鮭になったんだと思っています。

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ラオウさん、「鮭」のことですけど、それが標準和名のサケなのか? ギンザケなのかが問題なんです。
要するに天然か? 養殖か? ということ。
最近、ナチュラルローソンというコンビニが出来ているようで、なんだか自然食的な響きですね。
そこのお握りも養殖もののギンザケを使っている気がする。
知っていて食べるのと、知らず知らずに養殖魚を食べるのは意味が違うと思うのです。

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このページは、管理人が2008年1月23日 08:07に書いたブログ記事です。

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