マサバ料理三題の三 船場汁

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 市場で安いマサバを見つけたら、とにかくいろいろ料理をしてみる。なかでも絶対に外せないのが船場汁である。
 料理名にある「船場」とは大阪市内の地名。今ではビジネス街としてビルが林立して、東京でいうところの大手町のような雰囲気がある。それがその昔、大店の並ぶ町で、その中核にあったのが道修町。そこで番頭どんと丁稚どんの世界があったわけ。そんなつましい(けち)で始末に励む御店で食べられていたのが、それこそマサバを骨まで利用するという船場汁だ。
 謂われはせこいものだが、味わいは決して貧相ではない。それこそ味わい深さという意味合いでは「豪華絢爛」であるように思われる。ほんまにうまいものであるし、どこかしら滋味豊か、身体が癒される。

 作り方は簡単。サバの中骨を一塩して、ひと晩くらい寝かせて、適当に切り、軽く湯通しする。この水分を丁寧に拭き取る。
 これを水に浸して、差し昆布(昆布の切れ端を入れる)して火にかける。本来はこれだけで味わい深い出しがとれるのだけど、今回の中骨二匹分で足りないので、少しだけかつお節出しを加えた。
 あるていど煮えてきたら、アクを丁寧に取り、軽くゆでた大根を加える。
 味つけは酒と塩のみ。青味を加えてもいいけど、ボクなど大根とマサバだけで充分だと思っている。

 これは酒を飲んだ後にぜひとも頂きたいもののひとつ。なぜだか知らないが肝の臓あたりの重苦しさがとれてしまう。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マサバへ
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このページは、管理人が2008年1月24日 11:55に書いたブログ記事です。

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