隠岐水産高校の「さば味付け」缶詰を食卓の中央に置く。子供達は缶から直接食べるなんて初めてなので楽しそうだ。
缶から箸でつまんで、いきなりご飯にのせて食べる。
まずは、ボクがうなる。子供も真似をしてうなる。
あとは中身の取り合いになり、汁も残らない。そしてもうひと缶。
どうしてこんなに食べても、食べてもうまいんだろう。
よくよーく味わって考えてみると、「うまい」の原因は「甘い」にあるようだ。この「甘い」が単純ではない。例えば、市販のサバ缶と隠岐水産高校のものでは「どちらが甘いか」というと、明らかに普段買い求めているものの方が甘い。それなのにより「甘く」感じる、甘さのなかにマサバの旨味が加わり、しかもたぶんマサバの多種多様なアミノ酸がこれまた加味されている。新鮮な材料を使っているのだろうか、苦みや雑味がない分、その甘さは上品なものでもある。
このご飯にサバ缶をのせて食べる幸せは、久しぶりに感じたもの。
材料は砂糖と本醸造の醤油だけ。プロはついつい酒とか味醂とか入れるが、缶詰などは出来るだけ単味に近い方がうまい。この日本海のマサバを材料とした、缶詰ならではの無添加の味わい。きっと企業では真似の出来ないものに違いない。
隠岐水産高校製のものには「水煮缶詰」もある。こちらはずばり、原料のよさから苦みが無く。マサバの旨味も濃厚なものだ。これほどえぐみの少ない水煮缶はめったにみつけられないだろう。
我が家では、サバの水煮にタルタルソースを加えて、パンとともに食べている。家族がいちばん好んで食べる水煮はマグロ類を使ったもの。でも自然保護や栄養的にはサバ属マサバの缶詰の方が上だと思っている。
味わって楽しいというのもあるが、面白いのは缶に学校のマークがあって、裏側に生徒自身がモデルとして登場しているのだ。「このコが作ったのかな」なんて考えるのも、また「隠岐の高校生も今風にオシャレだな」なんて思うのもなかなか楽しいものだ。この写真ラベルのせいで大量買いする人がいそうで恐い。
さて、隠岐水産高校の缶詰はあくまで生徒の実習で作り出されるもの。当然数に限りがある。一般人でも飛行場などで手に入れることは可能だが、なかなか手に入れがたいものだという。この絶品缶詰を多くの方に味わってもらいたいが、ボク自体が次回手に入れられるのが何時なのか、神のみぞ知るなのである。
●この缶詰を送ってくれた幼なじみカンイチに感謝。
隠岐水産高校
http://www.shimanet.ed.jp/okisui/
島根県庁
http://www.pref.shimane.lg.jp/
島根県水産課
http://www.pref.shimane.lg.jp/industry/suisan/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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