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場内の生け簀でおよぐヤリイカ。これが買えるのだからうれしい
“市場”が大好きだ。でも改めて考えるに“市場”って何だろう? それは現在の観念でいうところの卸売市場など公設市場だけではなく、魚が水揚げされる「河岸」、それから通りの名前だったり、また単なる店舗の集合体であったりする。ようするに人々が何かを求めに来る(買いに来る)物資の集散地でもあるし、人が集まる場所自体でもある。すなわち多様な意味を持つ言語と解釈して欲しい。
だから萩魚市場前に建っている『道の駅 萩しーまーと』も間違いなく“市場”である。新しく作られた“市場”で、これほど人の集まる場所も少ないだろう。この市場の歴史は浅く、建設されたのは2001年のこと。場内は清潔で、また、驚くのは無駄な飾り付けなどは皆無に近い。それなのにどこか有機的で暖かみがある。
どうして、これほど親しみやすい空間なのかというと、回りにたくさんの食べ物が置かれていて、その密度が高い。また多様性があり、入るといろんなものが目に飛び込んでくる。驚くべきは、これほどの多様性のある“市場”であるのに清潔無比であることだ。場内に腐食した有機質の臭いがまったくない。
2月のもっとも観光客の少ない金曜日に、ボクは『道の駅 萩しーまーと』をグルグルまわり、その面白さに夢中になった。今回はこの新しいのに、なぜか懐かしい、そして回ってみるだけで楽しい『道の駅 萩しーまーと』の魅力を考えてみたいと思う。
ここだけの話であるが、萩には行ってみたい場所が数え切れないほどある。幕末の歴史は面白く、高杉晋作、吉田松陰、伊藤博文の足跡はもとより、その美しく古めかしい城下町自体に惹きつけられるだろう。
でも萩に来て「食べたいものは」と聞かれると、ぜんぜん思い浮かばない。そん不得要領な状態で『道の駅 萩しーまーと』にくるとやっと萩が漁港であり、新鮮な日本海の幸に溢れている街であることに気づくだろう。
それほどに『道の駅 萩しーまーと』の水産物への貢献度は高いと思う。
道の駅 萩しーまーと
http://www.axis.or.jp/~seamart/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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