ヒガンフグは彼岸過ぎまで食え

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 ヒガンフグ(関東では「あかめふぐ」)が各地でとれ盛っている。関東には茨城や千葉から、関西でも鳥取でも島根でもとれてとれて困っているのではないか。
 この和名の由来はそのものは、ずばり「彼岸頃にさかんのとれるため」なのだけど彼岸をとうに過ぎた4月になってもたっぷりあがる。
 ぱんぱんにふくれたお腹には白子もしくは真子が詰まっているけど、これは捨てなければならない。ヒガンフグはもっとも毒性の高いもので、真子、皮などを食べるとすぐに彼岸へ旅立つことになる。
 素人はフグ調理師、プロにお願いして、食べた方が無難なようだ。
 ボクは八王子総合卸売センター『高野水産』のフグ調理師の前で卸して、最終的にはいろいろ毒の除去なんか手助けしてもらった。ここまですれば間違いなく安全である。

 これを持ち帰って、リードペーパータオルに包み込み、一日寝かせる。
 これを焼き切りにしてぽん酢で楽しむ。

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あまりに定番的な食べ方ではあるが、やはりうまいな

 残りは島根県の郷土料理「煮食い」にする。

 焼き切りぽん酢は、まずいはずがない。ぱんぱんに真子を持っていたのに、身にも旨味が残っているし、甘味がある。また直火であぶった身のしっかりと堅いのに驚く。これはまさに絶品だね。

 その焼き切りに加えるのが、「煮食い」というもの。島根県出雲地方で「へか焼き」、岩見地方で「煮食い」、益田などでは「いり焼き」という。すなわち醤油(しょうゆ)味の鍋である。
 これをヒガンフグで作ったら圧倒的なうまさだった。
 あまりの美味におののくとはこんな状況を物語っているようにも思える。

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 ブルっと骨から抵抗しながら外れていく身。この身を噛みしめたときの充実した旨味。なんだこれは……、期待以上ではないか。

 長い間だ魚を飽食してきたのに気が付かなかった。
「ヒガンフグは彼岸過ぎまで食うのだ」

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ヒガンフグへ
http://www.zukan-bouz.com/fygu/fugu/torafugu/higanfugu.html


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このページは、管理人が2008年4月17日 21:53に書いたブログ記事です。

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