北海道産「殻やぎ」でいっぱい

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 春になると来る日も来る日も貝ばかり食べていたくなる。なかでもその適度な渋みと独特の風味で春らしい気分に浸れるのがバカガイである。
 バカガイとはこれまた直截的な名前だが、この語源は「その昔、東京湾でバカみたいにとれたから」らしい。よく本などに足(舌とも)がだらしなく貝殻から出ているからだという説が出ているが、さすがにこれは間違いだろう。
 この前海である江戸湾(現東京湾)でバカみたいにとれたものだから、庶民はさかんにバカガイを食べた。さすがにすぐ先浜でとれるものだけでは足りなくなって上総からも持ってくるようになり、その中継点が現在の千葉県市原市青柳だったため江戸市中では「青柳(あおやぎ)」と呼ばれるようになった。やはりバカガイよりも「青柳」の方がうまそうで、しかも今まさに柳の新芽が芽吹き始めている。

 今回のものは北海道産の活けバカガイ。貝で「活け」というのは殻付きのまま入荷したもの。
 その昔、大きくなること、貝殻の表面の文様がはっきり出ることから「エゾバカガイ」と別種扱いされていたこともある。
 5つ、6つ、買い求めてきて、剥き。貝柱をとり、足の部分を半割にして、ほんの1、2秒湯通し。

 これがボクの晩酌のアテになる。
 窓を全開にして、ときおり吹き込む風を感じながら冷えた日本酒を飲むというのは幸せなもので、そこに一皿の青柳があるのはより幸福感を高める。
 バカガイを刺身にするのは、いたって短時間で簡単にできる。しかも貝の中でも、もっとも安いのがバカガイだとくると、一般家庭でもっとありきたりによく食べられてもいいと思う。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、バカガイへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/bakagai/bakagai.html


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このページは、管理人が2008年4月19日 13:39に書いたブログ記事です。

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