冬眠から覚めた海老名の海老さんから新鮮なフキを頂いた。
まだ「出始めであまり大きくないし、少ないんだけど」と軽く一束もらったのが、なんとも春を盛りと感じさせてくれて喜ばしいものだな。
フキの入ったビニール袋を手に通り抜ける雑木林は、芽吹いた葉がかなり大きくなって、まさに「山笑う」の候となっている。
フキの茎は北海道産アサリと一緒に混ぜご飯の素をつくる。
アサリは蒸し上げて、殻から外す。
フキは塩刷りしてゆでて、皮を剥く。
フキの葉はゆでて刻んで、水にさらす。
フキの葉の濃い緑が、我が家でいちばん大きなボウルに広がってきれいだ。
姫が「なんだこれは」と脇からつまんで、おもむろに口に入れて「父ちゃん苦い」と顔をしかめている。
フキに加えるのは冷蔵庫にあったニンジンとシイタケだけ。
フキもニンジンもシイタケも刻む。
アサリを蒸したときの汁は使わない。後々のみそ汁などに使うとして保存。
テフロンフライパンにほんの少しの太白胡麻油を入れて、野菜を炒め、酒、味醂、少量の水を入れる。
野菜が酒、味醂、胡麻油でしっとりしてきたら、アサリを投入。
具材に甘味がつき、馴染んできたら島根県益田市桐田醤油店の甘い濃い口醤油を加える。
混ぜご飯の味付けは出来る限り単純にするのがコツ。
こんなものにかつお節だし、アサリの煮汁を使う人がいるが、明らかにやりすぎだ。
うまければうまいほど、食べて重く感じるのだ。
フキの香りが生きてこない。
混ぜご飯の素は手早く、単純に作るべし。
混ぜご飯の素を作っている間に、フキの葉のゆでて刻んだものが入っているボウルの水をなんども替えアクを抜く。
なんども替えて、まだ苦いなと感じるほどの状態で水を硬く堅く絞っておく。
これを太白胡麻油を薄く敷いた行平に入れて、手早く煎りつける。
胡麻油が馴染んできたら、まずは島根県松江市米田酒造七寶本味醂で甘味をつけ、そこに東京都あきる野市五日市のキッコーゴ丸大豆醤油をからめて手早く水分を飛ばす。
これで「蕗葉の佃煮」が出来上がる。
やや少な目に水加減したご飯が炊きあがったら、手早く具を混ぜ合わせる。
ある程度混ざったら、軽く湯がいた芹を加えて出来上がりだ。
混ぜ合わせたら、大急ぎで食べよう。
ほんの少しのフキの香りが、ご飯の中で浮き上がってくるのがいいね。
フキの風味、渋みはほんまに春そのものじゃあーりませんかね。
アサリの旨味も存分に感じるし、身に甘味があるのがいい。
さて、混ぜ合わせて、つぎ分けたら、4合炊いたご飯なんて、ほんの10分ほどで消えてなくなる。
春を感じる混ぜご飯も、もっとゆっくり食べられるといいんだけどな。
軽くお腹を満たした後の、これも島根県松江市米田酒造の『辛口純米 金吾郎』がよろしいな。
アテは当然、「蕗葉の佃煮」となる。蕗の葉をたくと、ひょっとしたら茎の何十倍もうまいのではないか、と思ったりする。
海老名の海老さん、おいしいフキをありがとう!
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アサリへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/heterodonta/marusudaregai/asari.html
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