カツオのシーズンである。一年を考えると、前期ですね。脂はないけど、腹身など皮付きのまま刺身にするとまことにうまい。
それでついつい買ってしまうのだけど、買い置きしていたことも忘れてしまい、もうとても刺身には無理なんて失敗がおうおうにしてあるのだ。
そんなときはゆでてしまう。ゆでて冷やして、表面を乾かす。なまり節以前の状態なのだけど、ここから幾通りにも料理が作り出せてしまう。
中でも定番と言えそうなのが「カツオ飯(鰹飯)」である。かなりかちかちに乾かして、味醂醤油で付け焼きするのもありだし、茹でたてをほぐして、味醂(みりん)、酒、砂糖、醤油(しょうゆ)でフレーク状にするのもいい。これを炊きたてのご飯もしくは、残りご飯を温めたものに混ぜ込むのが「カツオ飯(鰹飯)」。
5月始めの本日は、わざわざ、生のカツオをゆでて、ほぐしで甘辛く味付けしたものを、残りご飯に混ぜ込んでみた。
カツオには醤油にショウガ風味が加えていて、ここに細かく切ったミョウガを刻み込む。
天に盛ったのは苗用の九条ネギの青いところだから、全然上等ではない。我が家の普段の食事はできるだけ材料を誂えない、のがモットウである。
カツオのほぐし身の混ぜご飯はやや甘辛く、まったりした味わいである。そこにミョウガが利いているのである。しかして、カツオのなんと強い、またわかりやすい旨さだろう。これなら誰だって、飯茶碗三杯は食べられる。
ここに錦糸卵や三つ葉でものせれば上等であろうに、そんな演出がボクには出来そうにない。
こんな普段着の食べ物でも、我が家の姫は日本橋にニョキっと建っている今時の高層ビルで食べた「ピザよりうまい」と言ってくれる。
それはそうだろう、父ちゃんの愛情がこもっているんだからね。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カツオへ
http://www.zukan-bouz.com/saba/saba/katuo.html
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