木更津での海遊びに興じた日は楽しかった。『網元 つぼや』さんのおいしい天ぷら、ご飯もあってまことに、まことに満足至極。
その上、獲物もいろいろあり、それこそ内房ならではの見事なスズキにマダイなんか、どう料理したってまずいわけがない。しかし中にはなかなか難敵が混ざっていて、トゲトゲのギマ、小骨がだらけのコノシロ(こはだの親)、ダツなんかも混ざっていた。
すだて漁に参加したなかでたぶん、コノシロがとれていて喜んでいたのはボクだけかな? なんて思われる。この一見端正でうまそうな魚、煮ても焼いても、その細長い小骨に悪戦苦闘する。
うまくなかったら、別に食べなきゃいいんだけど、小骨問題を除けば、非常に味がいいので、またなんとも悩ましい限りだ。
ボクはその昔、この大型のコノシロをもっぱら塩焼きにしていた。真子がたっぷり詰まっている時期で、塩焼きにするとホカホカして味のいいこと。身は細かく骨切りをしておくとなんとか食べられる。
最近、塩焼きよりも何倍もうまい食べ方を覚えてしまった。それが韓国風の胡麻油(ごまあぶら)焼き。
別に難しい料理ではなく、頭とワタを除き、骨切りする。ここに塩をして、少し寝かせる。
テフロンフライパンに胡麻油をややたっぷり入れて、そこにコノシロを泳がせて、弱火でコンガリと焼き上げるだけ。コツはただひとつ、ゆっくりとコンガリと焼き上げること。慌ててはいけない。
食べ方はそのままでもよく、またコチュジャンをつけながら食べてもいい。皮目は限りなく香ばしい、それでいて身の方はしっとりしている。甘味もある。それになによりも味がいいのが真子である。ニシンもそうだが、ニシン目の魚の特徴は真子がうまいこと、というのがしみじみわかってくる。
さてさて、酒を合わせるなら、マッコリルといきたいね。
この料理法は昨年、韓国の漁師さんに、とにかく魚だったら、胡麻油で焼いて食べるのだ、と聞いて病みつきになった料理。たぶん、韓国料理には魚貝類の食べ方で、もっともっと面白いやり方があるとにらんでいるのだけど、いかがなものだろう。
網元 つぼや すだて遊び
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きんのり丸の漁師生活28年
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、コノシロ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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今夜はギマの一夜干しでいっぱい
御無沙汰してます。余りに面白い調理法(骨切り)ですので、今度適当な魚があったら試してみようかなと思ってます。でも良く切れる包丁と鮮度の良い魚が要りますね。
ちなみに私の嫌いなマイワシなどで、こんな骨切りすることで、嫌な加熱臭や小骨が意外と気にならないようであれば嬉しいですね。
トーボさん、「マイワシが嫌いだ」というのと、
「かわいい女の子が嫌いだ」というのは
同じレベルの話です。
お魚を極めるならマイワシからですよ。
かわいい女の子好きでしょ!
さて、この骨切りですけど、珍しいんでしょうか?
コノシロではよくやるんですけど。