やはり、クロダイは安いな。5月13日は魚が少なくて、魚貝類の値もよかったのに活け締めにされたクロダイがなんとキロ当たり1000円しかしない。同じ店でマイワシがキロ当たり1000円であった。いかにマイワシの値が上がり気味だといっても、立派なタイ科のクロダイが同じ値段というのはおかしい。これでは漁師さんがかわいそうだ。気の毒に思いながら、それでも一本買い求めてくる。
見事なクロダイで産地は讃岐香川である。最近、瀬戸内海のクロダイの入荷は目に見えて増えている。
持ち帰ったら、まずは三枚に卸す。
そこに強塩を振る。水分が出てきたら拭き取り、ベランダに干しておく。
乾かすこと2時間。無駄な水分を出してしまうのが、うまい炊き込みご飯を作るコツ。
腹骨、血合い骨の部分を切り取り、米、ショウガのせん切りとともに羽釜に入れる。
味つけは酒と薄口醤油(うすくちしょうゆ)だけ。
後は炊きあがりを待つのみだから、ほんとうに炊き込みご飯というのは手間いらずだ。
さて、本来の瀬戸内海の「ちぬ飯」というのはまるまる一匹炊き込む。でも一般家庭ではそんなに大きな釜で炊くこともなく、また頭部などを入れると、骨が残ってしまわないか心配だ。
我が家などご飯の支度も、炊きあがってかき混ぜるのも子供の仕事なので、炊き込むに骨を除去して利用する。
この単純な炊き込みご飯がやたらにうまい。子供達はこれを海苔に巻き巻き食べる。ボクは酒を飲みながら、まるで酒の肴であるかのようにして食べる。
ぷーんとクロダイの甘い旨味を含んだ香りがして、ご飯にも旨味がたっぷり染み出している。まことに贅沢な気分に浸れる逸品である。
たぶん、魚が嫌いという人にも、「ちぬ飯」だけは大丈夫ではないだろうか? なぜならクセのない白身のためか全然魚の生臭みがない。
さて、クロダイにはたっぷり白子が入っていた。まさに産卵の最盛期であろう。この産卵期がまたクロダイ漁の最盛期でもある。当然、たくさん揚がると値段も安い、そして脂ものってうまいのだから、この時期のクロダイは大いに食べなきゃいけないね。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、クロダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/taika/kurodai.html
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これも深川飯だろうな
ほんと、チヌは安くなりましたねぇ。
でも、こちらからするとkg/1000円はまだ良い値です。(輸送とかのコストがかかるからそれでも出荷者はあまり良くはないのかもしれませんが)
こんど尻高鰤さんと「うまいんだけど、値がつかない魚をいかに適正な価格で売るか」、という話し合いの場を持ちます。
なんとかしないといけません。
こんな魚に目をつけるバイヤーさん、いませんかね。