島根県になんども行く内に気がついたのだけど、この地の干物はまことに美味だ。
浜田、大田、出雲とほとんど全県にわたって干物作りが行われていて、少しずつ特徴を見せながら、どれをとっても出色のできばえ。
これは島根県は干物どころと言わねばなるまいね、なんて思ったものだ。
さて観光都市松江にあって、どこで干物を買い求めるか。実は、市内のスーパー、魚屋なら、どこにでもうまい干物が揃っているし、駅前の一畑デパートなんかでも素晴らしい干物が買える。
それでは逆に、どこで買えばいいのか迷ってしまうことになる。そんなとき所用で県庁を尋ねた。たずねたついでに県庁の食堂でお昼ご飯を食べることになったのだ。
そこは明らかに県庁職員の縄張りだが、それほど強く縄は張ってない。だいたい地下に下りる階段下に売っていたのが、なんと地場のイチゴだったり、またそれを買い求めるオバチャンはどう見ても近所の人だ。
その昼前の腹減りの状態でイチゴの売場の先を見ると、たくさんの干物が並んでいる。「これは干物のワンダーランドや!」と叫びたくなる光景に、吾知らず小走りになる。
「てがれい(ソウハチガレイ)」、「やなぎがれい(ヤナギムシガレイ)」、「はまち(ブリの若魚)」ハタハタ、ニギス、マイワシにマアジにウルメイワシ。脇に板わかめがあるのがいいね。
ここから「はまち」とニギスを選んだら、地元のヤマトシジミさんがウルメイワシとヤナギムシガレイをくれた。ありがとう、一生感謝するよ。
この干物が、どれもこれもまことにうまい。塩加減が絶妙だ。
毎週金曜日には県庁で干物を買い求めるという職員の方も数知れずであるという。これはとてもうらやましい。
こんな光景を見ると全国の県庁市役所なんかに、人知れずうまいものが隠されている、そんな疑惑がわいてくる。
またこの島根県庁、あまりにもあっさり見て回りすぎた感がある。今度行ったら端から端までじっくりねちっこく探検してやるのだ。
(有)マルコウ 島根県松江市鹿島町御津351-1 電話番号 0852-82-1334
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