都心から東北自動車道をまっすぐ北上、一関インターから一般道で真東に太平洋に出る。
一関インターを下りると、とたんに甘い香りがしてくる。これは明らかに植物の花の香りに違いないが、いったいなんなのだろう。
この気仙沼に向かう道が美しい。
気仙沼は宮城県でも最北の町である。
今回はヘンリーブロスの江嶋力さんと一緒だ。
考えてみると通り過ぎた奥州市(旧水沢市、江刺市他)、一関市は14日に大型地震(岩手・宮城内陸地震 2008年6月14日8時43分)に見舞われているわけで、自宅でニュースを聞きながらも感慨深いものがある。
気仙沼市に入るとすっかり夜は明けて、やや蒸し暑く感じるほどだった。この日(11日)予想では梅雨入りの予定だった。
気仙沼漁港魚市場に到着、クルマを下りて競り場に辿り着くとむっとするような異臭を感じる。
それは血液と腐敗臭の混じり合ったもので、臭いの素は探さなくても目の前に延々と大量に転がっている。
血まみれの「もうか(ネズミザメ)」である。
大目網(巻き網)などでとったもので内蔵を競り場で抜くために、血まみれとなる。またこの血まみれであることが鮮度のよい証ともなるという。
体長1メートルから2メートルはある「もうか」が行けども行けどもつきない。
また取りだした肝臓が集められて洗浄されている。その光景が市場の喧噪の中で、逆に静謐に思える。
「もうか」の場所からほどなくのところに、ヨシキリザメの山が続く。頭を落として内蔵を除去したヨシキリザメは白っぽくて、江嶋さんに「これがはんぺんになり、おでんのスジになるんです」なんて説明していく。
膨大なサメ類は肉だけではなく、鰭も気仙沼名物の「フカヒレ」の原料となる。
ヨシキリザメの先にはマカジキ、メカジキ、アカマンボウが並んでいる。
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アカマンボウはマグロ漁など遠洋漁業の副産物
当然あるだろうな、と思っていたマグロ類はほとんどない。中型のメバチマグロ、クロマグロが隅っこに10本足らずあるだけ。
気仙沼港は非常に長く、しかも一種あたりの数量が膨大である。
これら遠洋の水揚げ港ならではの光景だろう。
競り場がつきるところで巻き網カツオの水揚げが行われている。
この水揚げ自体が大型器機を使ったもので、気仙沼の雄大さを感じる。
江嶋さんが、「この向こうでも水揚げをやっているようです」という。
てくてく歩いていくと「とんぼ(ビンナガマグロ)」が大量に水揚げされている。
大きさ4から6キロほどの小振りのもので大きなコンテナーにベルトコンベアーで投げ込まれる。
気仙沼魚市場は細長く北に切り込まれた湾というよりも水道といった水辺にある。魚市場から海を見ると、その向こうに常に山が迫っている。その直線的な競り場を南に下り、また北に上るとかなりの距離になる。
さて、この大きな気仙沼魚市場の近海魚はどこで見られるのだろう。
ビンチョウマグロの水揚げを見て、ちょうど「海の市(観光市場)」の前までもどったときに、佐藤さんからケータイがはいる。
さて、これから気仙沼の地魚を見ることになる。
佐藤誠さんのブログへ
http://macoco.at.webry.info/
食材王国みやぎ
http://www.foodkingdom-miyagi.jp/index.shtml
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
http://www.zukan-bouz.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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宮城県の漁港巡りの旅02 6月11日 気仙沼漁港 その2 地魚競り場