宮城県の漁港巡りの旅02 6月11日 気仙沼漁港 その2 地魚競り場

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 気仙沼漁港に入った途端、あまりの大きさ、そして居並ぶサメの膨大さに圧倒されてしまった。
 それは漁業と言っても、企業的な、また日常とは縁遠いものに思える。
 呆然と立ちつくす我らに、救いの神となったのが佐藤さんである。
 現地仲買に努める佐藤さんは遠洋もの、地物など気仙沼にあがる総ての魚貝類を熟知している。

 市場の中央で呆然と立っている、我々に浅黒い背の高い男性が近づいてきた。
 下げた札に佐藤とあり、なんだかほっとするやら、うれしいやら。
 メカジキ、マカジキ、少ないながらクロマグロがあがっている。
「佐藤さん、この本鮪(ほんま)高いでしょうね」
「いやあ、今は安いですね」
「もうか(ネズミザメ)」の場を超えて、北に向かう。
 遠洋の場所は圧倒的に魚の量が多く、その割に人影はまばらだったのだ。
 北の端には地物が並んでいて、小魚、ホヤ、ホタテなどを囲んで小さいながらも人盛りがしている。
 なんだかやっと気仙沼という土地にたどり着いた思いがする。

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 ホヤもホタテも気仙沼周辺、大島などで養殖されたもののようだ。
 ミズダコ、活けの「川がれい(ヌマガレイ)」。
 タヌキメバル、メバル、エゾメバルにケムシカジカがあって、その先にウミタナゴが並んでいる。

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三陸ではウミタナゴは細かくたたいてみそで味つけする。千葉県のなめろうをウミタナゴで作るのだ

 サツキマスに大きな「大介(マスノスケ)」がある。

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この辺りでとれるマスノスケ(キングサーモン)のことを「大介」と呼び、非常に値が張る。そして非常に美味である。

 マンボウの身、腸、肝。
 小さなゴマサバ、ヤリイカ、マトウダイ、ヒレグロ。
 フグが入ったコンテナーをのぞくとヒガンフグ、ゴマフグ、マフグ。
 麦いかサイズのスルメイカがたっぷり。
 クロソイ、「ぎはぎ(ウマヅラハギ)」、カナガシラにカガミダイ。
 サワラは大小あって、ずばぬけて鮮度のいいものがある。
 ケガニはまとまってとれている。

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 気仙沼ならではというのが「もうかの星」、心臓である。
 これはサメの水揚げ港だけにあるもの。
 このまま生で刺身に、焼き肉風にもなる。

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 ちょうど「めじ」を並べているところなのだけど、総てクロマグロである。

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「もう少ししたら定置網が入ってきます」
 佐藤さんに言われて、いちばん奥の生け簀を見て回る。
 ヒラメ、マツカワガレイ、マコガレイ、ババガレイ、ケムシカジカ、「はも(マアナゴ)」などがいて、手前にキタムラサキウニが小山になっている。
 三陸産のキタムラサキウニは味がいいので有名だ。

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 面白いのは机の上にゆでたホタテガイ。パック詰めになっているのだけど、うまそう。

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 競り場で1パック買い求めるわけにもいかず、ちょっと我慢する。こういったものを買い求め、すぐに食べてみるのが私流なのだけど。

 そのうち定置網の船が入ってきた。
 水揚げの量はそんなに多くはない。
 活けのヒラメ、ホウボウ。「よど(イカナゴの大きくなったもの)」がなんだか三陸らしい。
 大きくなったイカナゴは安くて養殖魚の飼料などになるが、本当は鮮魚で食べてもうまいのだ。

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「よど(イカナゴ)」は飼料になってしまうのだが、刺身にしても干物にしても美味。

 大方、水揚げが終わったとき、ワカサギのようでそうではなく、ウルメイワシでもないものが出てくる。
 なんとこれがマダラの稚魚であるという。
「これもエサになるんです」
 と佐藤さん。
 でもこれを唐揚げなんかにするとうまそうだ。

 6時に市場に到着して、はや8時を回っている。我ながら疲労困憊なのだけど、クルマを運転してきた江嶋さんの顔には余裕が見られる。若いというのは凄いことだ。

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コメント(2)

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こんばんは、ぼうずコンニャク様
先日は遠いところを、よくおいでくださいました。もっとご案内したかったのですが、そうも行かず大変失礼しました。
あの茹でたホタテに見えたものは、以前お送りしたアズマニシキです。おいしい貝ですよね。

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佐藤さん、先日はお世話になりました。
地震大丈夫でしたか?
さて、アズマニシキ(アカザラガイかどうかまだ悩んでいます)なんですね。
食べてみればよかったな。
こんど気仙沼に行ったら買ってみたいと思います。

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このページは、管理人が2008年6月16日 17:55に書いたブログ記事です。

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