オニオコゼが旬を迎えている。活けを買いたいと思うものの、とても手が出ない。ちょっと安い野締めを1本手に入れて、久しぶりに唐揚げにする。
「なーんだ唐揚げか」とバカにするなかれ、オニオコゼの身は揚げると魚ではなく餅に変化するのだ。そして周辺部のびろびろした皮はかき餅のような、カリカリっとした香ばしいものだから、まさに上等の揚げ餅そのものだ。
しかもだ、そこに魚の旨味がたっぷり存在する。これこそ唐揚げ界の王様そのもの。
作るのはちょっと大変。
背鰭を切り落とす。プロは包丁で切り離すのだけど、調理バサミが便利。
背鰭には強い毒があるので要注意。
そして背開きにして、ワタを取り、中骨を外す。
ここでよく水分を拭き取り、片栗粉をつけて二度揚げするのみ。
揚がったら振り塩。
背開きにして揚げると、まるでふくら雀のように本体が丸まる。
このふっくらと丸い身を口に入れると餅っとした食感なのだ。
中からジュワっとオニオコゼの旨味が吹き出してくる。
この香ばしいなかに、餅っとした食感の身と魚の旨味が今残一体となったところに、「虎魚の唐揚げ」のよさがある。
残念ながら、唐揚げは日本酒をやる静謐さには欠ける。
むしろビールといきたいところだ。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、オニオコゼへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/oniokoze/oniokoze.html
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初夏の三の字、やっと攻略