ボクの生まれ故郷は阿波の徳島。その徳島県松茂町からイワガキが入荷してきていた。
過去に那賀川町のものを見ているが、これが二回目となる。たぶん、探せば徳島の海岸線のどこにだってイワガキはあるに違いない。
松茂町は丁度徳島市の北にあり、鳴門市の南にある。こんな説明が必要なくらいに知名度が低い。徳島空港がある場所という説明の仕方もありだろう。
実は徳島市からすると、海水浴の浜があったりして、身近な行楽地かもしれない。ちなみにボクが初めて海で泳いだのが、この松茂町だ。
さて、徳島県産のイワガキ、箱に入ったのをひっくりかえして選ぶ。すると全体にまん丸いのが多く、やや平たい。これは「岩」ではなくテトラポッドについたものに違いない。
いまのところ、コンクリートに付いていたからと言って、まずいとは感じたことはない。
これが八王子魚市場で1個480円であった。この直径15センチやや大振りであることからすると平均的な値段である。
表面には多種多様な付着生物がおり、貝殻にイシマテガイが潜んでいた。
貝殻はもろいタイプ。イワガキには貝殻の硬さがいろいろあり、例えば日本海隠岐などのものは天然、養殖ともに非常に硬い。対するに千葉県銚子産、伊勢湾産などは柔らかい。徳島、銚子、伊勢湾の共通点は川の流れ込みがあるということ。海水の塩分濃度や川からの栄養塩などで貝殻がどのように変異するのか、調べたら面白そうだ。
貝殻が柔らかいために開けるのは簡単至極。ずぶりと貝剥き(貝棒)が入っていく。
出てきた軟体は貝殻の平たさの割に膨らみがある。
軟体の汚れや貝殻を冷水で軽く洗う。
今回はこれも徳島県産スダチを垂らして、一気に口に放り込む。
イワガキ独特の濃厚な甘味と苦みがどっと口の奥の方に広がる。そこに甘味が追いかけていくのだけど、ここで咀嚼する軟体が適度に弾力とシコシコ感があるのがいい。
残念ながら他の産地からして突出したうまさは感じられないが、「阿波のイワガキええじゃないか」とうれしくなる。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、イワガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/iwakaki.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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山形県寒河江市『丸原鯉屋』の鯉ぶかし