12日は早朝5時過ぎには石巻魚市場にいた。
まずは場内の圧倒的な広さに驚く。端から端まで歩いたときの行けども行けども尽きぬ感はすごい。
「今日は魚が少なくてね」
尾形清雄さんが済まなさそうに言うのだけど、そここに何げなく置かれている魚貝類の多彩さは国内でも屈指のものだろう。
赤く染まっているのはキチジ(本標準和名は宮城県で使われていた言葉)、アコウ、バラメヌケ、ニシン、そして問題のギンダラ。
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これくらいの大きさになるとキチジ(きんき)は高いに違いない。
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イトヒキダラ、オニヒゲ、ヤリヒゲ。みなすり身になる
床にはホラアナゴが、大きなコンテナにはイトヒキダラ、ヤリヒゲ、オニヒゲが投げ込まれている。
これをいちいちチェックしていくのだが、メモを取る気にもなれない量である。
ちょっと混乱した頭を沈めようと、とにかくいちばん端っこまで歩く。
そこにあったのが宮城県ならではの養殖ギンダラ。
殺菌冷海水、海水氷の入ったコンテナーにたくさんのギンザケが競りを待っている。
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ギンザケはこのように開いて身の色合いを見せて競りにかける
ギンザケの競り場から、こんどは魚貝類をじっくり見て歩く。
脇を歩く尾形清雄さんの足取りが速い。
30代に見える息子さんも一緒で、ボク共々その速さに遅れてしまう。
ミズダコ、ヤナギムシガレイ、マコガレイ、ソウハチガレイ、ヒレグロ、ババガレイ、サメガレイ、ミギガレイ、ヒラメ。
スケトウダラ、マダラ。
シライトマキバイにエゾボラモドキ。
スルメイカにヤリイカ。
マアナゴ、アブラガレイ。
マサバ、ゴマサバ
ケガニ、ヒゴロモエビ(ぶどうえび)。
市場の片隅でマボヤ(ほや)が洗浄されていた。
こんなにたくさんの養殖マボヤを見るのも産地ならでは。
「残念ですね。今日はまったく魚がなくて」
見知らぬ人から声がかかる。
どうやら昨日食堂にいた人らしい。
「いいえ、そんなことはありません」
もしも大漁だったら、きっとヘトヘトを通り越してぶっ倒れてしまうかも知れない。
尾形さん親子に、また秋に来ますと行って石巻を後にする。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
http://www.zukan-bouz.com/
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ホウボウの酒塩干しってうまいなー