2008年7月20日アーカイブ

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 我が家にお年をめしたお客様がおいでになる。
 市場でいろいろ考えた末に、焼き物はホウボウに決めた。
 身内なので、そんなにかしこまることもなく、適度に家庭的に。

 産地不明のホウボウは産卵期の痛手から抜け出して、身がふっくらとしてきている。
 脂もありそうなのだ。
 これを4、5本も選んで買い求めてくる。
 旬を外しているために思ったよりも安い。

 まずはホウボウの頭を落として背開き。
 やや強めの塩をしておき、水で洗い流して酒に漬け込む。
 これを冷蔵庫で半日乾燥させる。

 後は焼くだけだから簡単至極。
 でもこんな単純な料理に、お客はいたって感激してくれたようだ。
 焼き残った2枚ほどをお土産にお持ち帰り願った。

 面白いことに酒を使うと、焼き色がきれいに着く割りに硬くならない。
 そこに適度な酒の風味が残る。
 産卵後の荒食いで思った以上に脂があるのか、甘味が強い。
 夏のホウボウ、なかなか捨て難し。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ホウボウへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/houbou/houbou.html


ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/

 12日は早朝5時過ぎには石巻魚市場にいた。
 まずは場内の圧倒的な広さに驚く。端から端まで歩いたときの行けども行けども尽きぬ感はすごい。

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「今日は魚が少なくてね」
 尾形清雄さんが済まなさそうに言うのだけど、そここに何げなく置かれている魚貝類の多彩さは国内でも屈指のものだろう。

 赤く染まっているのはキチジ(本標準和名は宮城県で使われていた言葉)、アコウ、バラメヌケ、ニシン、そして問題のギンダラ。

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これくらいの大きさになるとキチジ(きんき)は高いに違いない。

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ホラアナゴは床一面に広がっている

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イトヒキダラ、オニヒゲ、ヤリヒゲ。みなすり身になる

 床にはホラアナゴが、大きなコンテナにはイトヒキダラ、ヤリヒゲ、オニヒゲが投げ込まれている。
 これをいちいちチェックしていくのだが、メモを取る気にもなれない量である。

 ちょっと混乱した頭を沈めようと、とにかくいちばん端っこまで歩く。
 そこにあったのが宮城県ならではの養殖ギンダラ。
 殺菌冷海水、海水氷の入ったコンテナーにたくさんのギンザケが競りを待っている。

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ギンザケはこのように開いて身の色合いを見せて競りにかける

 ギンザケの競り場から、こんどは魚貝類をじっくり見て歩く。
 脇を歩く尾形清雄さんの足取りが速い。
 30代に見える息子さんも一緒で、ボク共々その速さに遅れてしまう。

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 ミズダコ、ヤナギムシガレイ、マコガレイ、ソウハチガレイ、ヒレグロ、ババガレイ、サメガレイ、ミギガレイ、ヒラメ。
 スケトウダラ、マダラ。
 シライトマキバイにエゾボラモドキ。

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灯台つぶのひとつ、シライトマキバイ

 スルメイカにヤリイカ。
 マアナゴ、アブラガレイ。
 マサバ、ゴマサバ
 ケガニ、ヒゴロモエビ(ぶどうえび)。

 市場の片隅でマボヤ(ほや)が洗浄されていた。
 こんなにたくさんの養殖マボヤを見るのも産地ならでは。

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「残念ですね。今日はまったく魚がなくて」
 見知らぬ人から声がかかる。
 どうやら昨日食堂にいた人らしい。
「いいえ、そんなことはありません」
 もしも大漁だったら、きっとヘトヘトを通り越してぶっ倒れてしまうかも知れない。

 尾形さん親子に、また秋に来ますと行って石巻を後にする。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
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 大分県、徳島県、山口県に共通する練り製品が「かつ(フライ)」である。
 大分、山口は「ぎょろっけ」なんていう。
 徳島では単に「かつ」もしくは「魚かつ」。
 形は違うけれど、要するに魚のすり身にカレーや唐辛子などの香辛料をまぜて、フライにしたものという共通点がある。
 意外に3県ほど知られていないのが島根県浜田市の「赤てん」。
 これも同様に和洋折衷の味わいでとてもうまい。
 この練り物をフライにするというのは戦後、東洋水産(現マルハ)などが魚肉ソーセージを開発したときに、他の練り製品の売上が落ちた。それに対抗すべく開発したものが練り製品のフライなのだ。

 これを揚げる直前の形にまで仕上げて、ご家庭で揚げたてをお楽しみ下さいというのが「いそまる本舗」の赤てん、そして新しく開発された黒てん。「黒てん」はイカ墨を使って真っ黒に仕上げている。

 赤黒、どちらが面白いかというとボク個人からすると「赤かな」と勝手に思う。
 それでともに取り寄せてみた。
 赤てんのうまさは、まさにボク好みである。

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 知り合いに島根県出身で、高校時代の弁当のおかずはいつも赤てんだった、という五十路男がいるが、むべなるかな。間違いなく毎日食べても飽きないだろう。
 やや甘めの練り地にピリカラ風味。
 揚げたてを食べたときの感激はなんともいいようがない。

 そして「黒」は赤てんに対してとってつけたような、イヤだなと思ったら、こちらの方が味は正統派だった。

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 練り物本来の味はこっちの方がいい。
 そこにフライの香ばしさがきて、少しだけ異端であるのがいい。
 そう言えば「亭主の好きな赤烏帽子」なんていうけど、対するに「黒」はスタンダードな意味合いを持つ。
 黒はじっくり味わうとうまい。

「赤てん」はなんといってもビール、とにかくビールがうまいけど、「黒」は日本酒にも合う。

いそまる本舗
http://www.rakuten.ne.jp/gold/isomaru/


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