毎年、暖かくなると入荷してくるのがアヤトビウオだ。
現在のところ出荷してくるのは和歌山県串本市の「出口水産」だけだけど、たぶん温暖な地方ではまとまってとれているはずだ。
6月、7月の市場ではツクシトビウオ、ホソトビウオが多く、トビウオが希に入荷してくる。
そこにやたらに寸詰まりのアヤトビウオが来ると、そろそろ夏本番だなと思う。
こんなことで「今年の梅雨明けは早そうだ」と思うのは変だろうか?
アヤトビウオは発泡に並んだところは背が黒く地味だけど、翼(胸鰭)を広げると佳麗だ。
この文様の色合いは地味だけど、妖艶な夜の女王を思わせる大胆で目立つものだ。
さて、この美しい翼をまとっている主が、デカ目のずんぐりむっくり、チビデカを思わせる。
鈍い体形なのでとても飛べそうに思えない。
このアンバランスな外見は、漫画のキャラクターにでも使えそうに思える。
市場で手に取った居酒屋の主人が、
「どう見ても、うまそうに思えないなー」
呟いていたのがよくわかる。
「うまそうに思えない外見」ではあるが、実はなかなか味がいい。
寿司職人の渡辺隆之さんなど、ボクが持ち込んだアヤトビウオを握りにしてみて、味がいいのでたくさん仕入れに走ったくらい。
身がしっかりして水分が少ない。すなわち他のトビウオ類よりも食感がいい、シコっとしている。
旨味も充分にあり、これがいける味なのだ。
今回はミョウガを合わせて、たたき風にしたが、単に刺身にしてもいい、
外は朝方からの雨がしとしと降り続いている。
忙しすぎて、今年はアジサイの花を見ていないのだけど、そろそろ満開だろうか。
こんなことを思いながら「土佐鶴」を不精にも室温でやる。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、アヤトビウオへ
http://www.zukan-bouz.com/fish/tobiuo/ayatobiuo.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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お昼は鯛茶でチャチャチャなのだ
最近東伊豆の地磯で「アヤトビウオ」ではないのですがツクシトビウオが釣れたので即血抜き+締めて刺身にしてみました。
元々とびうお類は好きなのですがやはり市場に出回っているものとは違い、新鮮な分旨みが分解する前で強く、血抜きをしていた分身に血が回っておらず生臭みも感じられませんでした。時期のトビウオは価格が安いので逆に活け締め+血抜きしたブランドトビウオを関あじ・関さばのようなめちゃくちゃな金額でなくリーズナブルな(かつ十分採算が取れる)価格で売り出すという方向性はないものでしょうかね。
それにしてもイワシやアジやトビウオなどの青物の刺身には辛口の酒が何であれほど合うのでしょうかね?強いアミノ酸の旨みを酒が一度リセットするからでしょうか。
飲みすぎには気をつけなければ・・・。
あ2さん、トビウオを血抜きするのは釣り人の特権でしょう。
確かに夏釣りをしているとときどき間違って釣れますよね。
これを大切に活け締めにする人は少数派ですね。