四国四県を総て挙げられる人ってどれくらいいるのだろう?
やはり少ないだろうな。
となると「徳島県人流」と書いても“なんだこりゃ”と思われそうだ。
カタクチイワシの稚魚を干したものを関東のように軽く干し揚げたものを「しらす」、西日本で強く干したものを「ちりめん」という。
どっちがうまいか、というとボクとしては断然「ちりめん」の方が上だろう?
(注/「しらす」「ちりめん」の原材料はカタクチイワシだけではない。“主に”という意味合い)
そして、このちりめんの食べ方は「徳島県人流」がいちばんうまいと手前みそながら考えている。
徳島県人の食卓にあるもので特徴的なもの、それはスダチだ。
秋口から露地物のスダチが出始める。
しょうゆにたらすのはもちろん、漬物、野菜にも、魚にも、ときに魚を酢締めするときにも、焼き飯(チャーハン)にも、かつ(フィッシュカツ)にも、天ぷらにもコロッケにも雑炊(おじや)にも、おつい(みそ汁)にもおすまし(お吸い物)にも、なんでもかんでもスダチをかける。
かけないともの足りない。
そんなスダチなんだけど、もっとも出合いのものは「ちりめん」である。
ぼうずコンニャクが考える「徳島県人流ちりめんご飯」とはこうである。
ご飯はほどほど、できれば少な目にして、「ちりめん」をてんこ盛りにする。
そこにスダチ、二、三個分をしぼりこみ、あとは一気に食う。
この世にあって、これほどの美味があってもいいのだろうか?
食べていて、罪の意識を感じるほどにうまくてうまくて、茫然自失の体になる。
困ることはついつい三杯飯をくらってしまうこと。
肌寒の頃には、ご飯に「ちりめん」てんこ盛りとして、そこに熱湯をそそぐ。
そのお茶漬けにスダチをかけまわして食らうのもうまい。
さて、徳島には阿波踊り(お盆)前に帰ったのでスダチはまだ高かったのだ。
阿波踊りにむけて農家がスダチを出荷するようになったため、まるで盛夏のもののように思われている。
しかしなんといってもスダチの旬は九月になってから。
安くなったスダチを、これでもか? とかけ回して徳島県人は幸福感を感じるのだ。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カタクチイワシへ
http://www.zukan-bouz.com/nisin/katakuti.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
八王子横川町鮨忠自家製の「アユの梅干し煮」 後の記事 »
ゴマサバとニガウリのサラダ
こんにちは(^^)
徳島のネタといったらやっぱりコメントしたくなってしまいます(^^;)
おっしゃるとおり、ちりめんにスダチは最高!
よくもまぁこんだけ・・っていうほど合いますし、おかずがなくてもいいぐらいですもんね。
すだちといえば、昨日は東京で某ビール会社の秋のプレゼントキャンペーンの賞品に選ばれた「阿波のあおりいか」のPRのために出張で上京していたのですが、PRブースでは、主役のアオリイカに添えるために持ち込んでいたすだちのほうがマスコミさんたちの関心度が高くて(苦笑) なんとも複雑な気持ちでしたね(苦笑)
アオリイカの刺身をお出しすると、
「ほぉ〜アオリイカですね〜」
これに、最後にスダチを取り出して絞ってかけてあげると
「おお〜! さすが徳島ですね!」
やはり徳島=すだちっていう図式は、少なくとも関東のマスコミさんたちにはかなり浸透しているようです。
ところですだち、徳島では露地ものが出始めていますよ。ガックンと下がった安い価格でとびきりの上物が手に入ります。
ぼうずこんにゃくさんもぜひ、旬を迎えたすだちをお楽しみ下さいませ(^^)
そろそろ岸青果に送ってもらおうと思っています。
また「阿波のアオリイカ」ですか、うまそうですね。
アオリイカは出荷方法で値段が大きく変わります。
その点に留意してください。