秋偏に変えたくなるサワラの焼き切り

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 いまだにサワラの旬を春だと思っている人がいる。
 困ったものである。
 近年は温暖化のせいなのかサワラが豊漁である。
 年間を通して水揚げされていて、年間をとおしてうまい。
 これには訳があって、サワラの産卵期が地域地域で違っているためだろう。
 例えば日本海島根では春以前に産卵してしまう個体が多く、対するに瀬戸内海では晩春に産卵する。
 早く産卵を終えたものは夏に食べてもうまいはずだし、遅く産卵するものは春にうまいのも当然だ。
 もっとも味が安定しているのは、さてサワラでは何時なのか?
 と言うと、間違いなく秋である。
 秋にとれるサワラはハズレがない。
 だからやめようよ「魚偏」に「秋」と漢字で書くのは。

 さて暦では秋となっている8月29日に買い求めたのは1.5キロのサワラだった。
 大きさ的には瀬戸内海などではまだサワラと呼べなくて「柳」とするべきかもしれない。
 キロ当たり1000円だから1本買っても1500円しかしない。
 千葉県産で下氷(氷の上に魚をのせる)のもの。
 千葉県産と言えば最近水氷のサワラが見事であり、できれば水氷を買い求めたかった。
 残念ではあるが、今回のものも鮮度は申し分がない。
 触った感触でも脂がのっていそうだ。

 これを焼き切りにしてみる。
 振り塩をして皮目をあぶっただけで、ほとんど刺身というもの。
 これがまことに美味であった。
 脂がある。
 もちろん、ほどほどにだけど、皮下の旨味とともに絶品である。
 浅葱、ミョウガなどを合わせて、スダチをしぼりかけても食べてみた。
 どれもこれも魅力的だ。

 サワラほど、どのように食べてもうまくて、食べたそばからまた食べたくなる魚も少ないだろう。
 それなのに値段が安すぎるのではないか?
 漁師さんのことを案じながら、不思議でならない今日この頃だ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、サワラ
http://www.zukan-bouz.com/saba/sawara/sawara.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
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このページは、管理人が2008年8月31日 12:15に書いたブログ記事です。

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