島根県津和野の郷土料理に「芋煮」というのがある。
小ダイかアマダイの骨をだしにして里芋と焼いた身を煮る。
汁は大目にして、吸い物のような仕上がりにするのだけど、調味料は塩としょうゆだけだという。
ちょうど島根のヤマトシジミさんから「鯛だし」というキダイで作った煮干しをもらった。
これが実にうまいだしがとれる。
この澄んだ旨味の強いだし汁で里芋をたけば、遠く津和野の芋煮が忍べそうに思える。
里芋は塩でもみ、米のとぎ汁で下煮しておく。
昆布と、鯛だしを水に沈めて、火をつける。
沸いてくる直前に昆布を取りだし、アクをすくいながら、だしの加減をみる。
だしがらを漉す。
酒、少量の味醂、塩、薄口しょうゆで味付けする。
ここに下煮した里芋をいれてことことたいていく。
里芋が口の中で軽くつぶれるほどに軟らかくたけたら出来上がりだ。
残念なことに土曜日に閉店した八王子綜合卸売協同組合『河村青果』で買い求めた柚を刻んでちりばめる。
器は武内立爾作の大皿。
この美しい皿には、こんな素朴な料理が合うと鑑みた。
津和野は島根県益田から山に分け入ったところにある。
室町時代から栄えた町ではあるから、こんな素朴な料理にもどこか洗練されたものを感じる。
今回の料理は『津和野の料理』(津和野の新しい文化をつくる会)によった。
ことぶき
http://www6.ocn.ne.jp/~kotokin/page4.htm
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、キダイ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki2/taika/kidai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
http://www.zukan-bouz.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
神西湖のヤマトシジミは素晴らしい 後の記事 »
うますぎて困ってしまう「毎味水産」の海老せんべい