新子をつける

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 9月になっても、まだまだ新子の季節は終わらない。
 むしろこれからだろう。
 流通の発達から産卵の早い九州からの入荷が増えたため、新子の季節は早まった。
 最近では初夏から秋までが「新子の季節」だが、江戸前でとれた魚くらいしか手に入らなかった高度成長期以前までは本来は秋の風物詩だったのだよ。

 まあ、新子の基本的な話はともかく、私流「新子の漬け方」をご披露したい。
 ともかく市場で「新子」を見つける。
 握り寿司にするとしたら1尾で1個のすしになるくらいの大きさ。
 これを八王子魚市場で見つけて、その場で開く。
 ボクが開いていると、あっちこっちから「へたくそ」なんて声がかかる。

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「ウロコを取る前に背鰭を落とすんだよ。本当にぶきっちょなんだから」

 本当なんだから「怒る気にもなれません」なー。
 数えてみると12尾ほど。
 大小あるのは、ボクの選び方があまいためだ。
「もっと修業をしろ」
 八王子魚市場のあんちゃんから声が飛ぶ。

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1 持ち帰ったら、塩辛い、高濃度の塩水を作る。

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2 ここに開いた新子をいれて4分前後。(大きさによって長さが違う)
3 これをたっぷりの酢で洗う。

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4 一度酢を切り、また新しい冷やした酢に入れて、表面が白くなったら大急ぎで引き上げる。

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だいたい3〜4分見当。すぐに白くなるので注意が必要

5 これをザルに上げて酢を切り、冷蔵庫で寝かせる。

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6 だいたい3、4時間で食べられるが、翌日がまたうまいのである。

 我が家では酢は業務用の20リットル入りを買う。
 銘柄はミツカンの「山吹」という赤酢。
 だから新子もちょっと赤く仕上がる。

 これはまさに酒のアテ。
 ちょいちょいつまみながら、酒をやる。
 面白いのは、子供達にも大人気であることだ。
 新子というのは思ったよりも脂があり、トロと甘味を感じるし、背の青い魚独特の旨味もある。

 外で鳴いているのはコオロギたちである。
 もはやセミは主役の座を降りている。
 その内、主役は外来種であるアオマツムシに代わるのだけど、こうやって季節がかわるのを感じながら、「今年はいつまで新子を楽しめるのかなー?」なんて思うのだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、コノシロへ
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このページは、管理人が2008年9月 8日 06:44に書いたブログ記事です。

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