今や全国に広がってしまったのがイワガキの産地。
その昔、イワガキを食べる地域は秋田、山形、新潟、鳥取、千葉などで、そんなに多くはなかった。
どの地方でも「ここでしか食べられない」、「ここでしかとれない」なんてうたい文句に「夏のイワガキ」を食べていたはずだ。
でも図鑑を見る限り、イワガキの生息地は広く、ある意味「どこにでもいる平凡な生き物」でしかない。
そして今では、それこそ日本全国津々浦々からイワガキがやってくる。
棲息しない北海道、沖縄県は無理でも、本州四国九州と産地をあげると切りがない。
「どこのイワガキを食べても味は同じであるわけはない」だろうと、違う産地のものを見つけるたびに片っ端から食べてみる。
秋田、山形、新潟、富山、石川、京都、鳥取、島根(養殖)、岩手(養殖)、静岡、愛知、三重(天然、養殖)、徳島、愛媛、大分、宮崎。
これで全部かなと確かめるのが大変でもある。
産地産地で「うまいまずい」があるのを発見した年ともなった。
やはりまずい地域もあるのだ。
そのトリとなったのが広島県倉橋島のイワガキだ。
まだ漁業の対象ではないので「生で食べられるか」という細菌や貝毒の検査は受けていない。
ボクの自己責任で「少しだけ」じゃなくて「いっぱい食べてしまった」倉橋島のイワガキである。
倉橋島のイワガキの大きさは天然物としては中くらい。
同じ日に入荷した同じくらいのイワガキが一個500円であった。
特徴は平たく丸いことだ。
この生はうまかった。
あまり濃厚すぎるわけではなく、さっぱりしているのだけど殷々と旨味と微かな苦みが続く。
これを酒で洗い流したときの「旨味のもどり」「旨味の消え去り方」がいい。
5個でも6個でも、うまさを繰り返し楽しめる。
蒸しても、焼いても上々であった。
『市場寿司 たか』の渡辺隆之さんと、八王子総合卸売センター『さくら』夫婦にも食べてもらって、この加熱処理をした味わいも好評をはくした。
倉橋島のある広島県はマガキの大産地である。
出荷検査体勢もととのっているように思える。
日美丸さん、倉橋島のイワガキを出荷してみないかな?
日美丸へ
http://ww5.enjoy.ne.jp/~kogera0401/
市場魚貝類図鑑のイワガキへ
http://www.zukan-bouz.com/nimaigai/pteriomorphia/kaki/iwakaki.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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スルメイカのゆずこしょう和え
できればイワガキを出荷してみたいのはやまやまなのですが、検査とか販路(出荷場所。おそらくこちらの市場では売れないでしょうから)などのことを考えるとちょっと難しいです。
殻に膨らみが無いのはたぶん干満が影響しているのだと思います。低潮線付近にある(あるいはそれよりも深いところの)海水に長く浸かっている場所の方が上にあるものよりも膨らみが大きいので。
それから、こちらのイワガキがどの程度のモノか知りたかったので「駄目!」だしが出なくてよかったです。
日美丸さん、東京出荷するといいと思います。
たぶん、量がまとまればなんとかなる。
いちばんのネックは検査ですね。
費用とか、調べてみる価値がありそうです。
私もネックは検査だと思います。