魚偏に「春」と書くからおかしなことになる。
まるで「サワラの旬が春」であるように思われる。
サワラの旬は秋から春にかけて。
春は「名残のサワラ」であって、もっとも美味な時期ではない。
サワラのスペシャリストが揃う、岡山中央市場で聞いてみる。
「サワラは冬に和歌山とか淡路でとれるのが最高です。春になって岡山あたりまでくると味は落ちてますね」
こんな答えが返ってくるのだ。
だから「サワラの旬は春だ」なんて思っていたら大間違いだ。
さて、そろそろサワラもうまかろう、と2キロほどのを買い求めてくる。
1キロ1200円だから1本税込みで2500円見当だ。
三枚に卸して、切り身にして、強めに振り塩。
焼く、1時間まえに酒に漬け込んでおく。
酒は旨味のあるものを選ぶ。
料理用酒だけは淡麗辛口はだめだ。
後は焼くだけだ。
今回は焼きゴボウ、焼き里芋、甘長唐辛子にミョウガとスダチを添えた。
まだまだ秋らしくはないが、皿の中が豊かに見える。
外から聞こえてくるのはコオロギの声で、まだまだアオマツムシは影をひそめている。
この時期はもっとも昔ながらの虫の集きを感じ取れる。
そして旬目前のサワラのうまいこと。
酒は新潟の「鶴齢」。
ついつい飲み過ぎてしまう旨酒である。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、サワラ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)
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