テレビなどの旅番組でサメが出てくることがある。
例えば和歌山県での「サメのゆびき」とか青森県での「棒ざめ料理」とか。
すると決まったように、「サメって食べられるんですね」とか「サメって初めてです」とか「ちょっと恐い」とか、ちょっと身を引くような、そんな情景になる。
まことにつまらない、テレビという媒体がいかにもやってほしいリアクションであって、これをいかにもそれらしくやってのけるタレント(?)というのがおぞましいし気持ちが悪い。
マスコミ自体が、リアクションを考えてタレントを選んでいるのだろう。
「お前は化け物か?」と言いたくなる、このようなロボットのような生き物が大嫌いだ。
最近このようなやらせ横行のテレビ番組が、つくずくイヤになり、気持ちが悪くなり、「この国は大丈夫か?」と不安を感じる。
このようにマスコミが「正しい情報ではなく絵を欲しがる傾向」はいつ頃始まったものだろう。
食に関する情報を伝えるときに報道の基本的な誠心が欠けているように思える。
このあたりボクが詳しく書くよりも小関敦之(築地王)さんの『築地で食べる 場内・場外・“裏”築地』にわかりやすく書かれている。
この本は単に築地礼賛でないのが素晴らしい。
いかん閑話休題なのだ。
ボクが言いたいのはサメってただの食用魚なのだ、ということ。
しかもクセがなく、食べやすく、万人向けの味がする。
そのサメを使った我が家の定番料理が「サメフライ」だ。
用意するのは「もうか(ネズミザメ)」か「棒サメ(アブラツノザメ)」。
今回は「もうか」で作った。
フライの作り方など書いても仕方がないだろうがあえて書く。
「もうか」は適当に切り、塩コショウする。
小麦粉をまぶして、溶き卵をくぐらせて、パン粉をつけて揚げる。
このサメフライの味をどう表現しようか。
さくっと揚げた食感のよさのなかに、サメの肉から芳醇な香りが立ち上がってくる。
そして急激に熱が加わり、サメの肉のジュが閉じこめられていて、それが染み出してくる。
サメの肉は魚でもない、牛肉でもない、もっと淡白で旨味のあるものだ。
こんなものを食べさせているせいなのか、我が家の子供達は近所のハンバーガー屋のなんとかフィッシュをまずいと言う。
とても食べられたもんじゃない、とも言う。
「当たり前だサメフライを食べて、なんとかフィッシュが食べられるわけがない」
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ネズミザメへ
http://www.zukan-bouz.com/sameei/nezumizame/nezumizame.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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