ガヤガヤいるから北海道で「がや」と呼ばれるエゾメバルは関東に来ると珍しい魚になるのだな。
そんな光景が八王子総合卸売センター『高野水産』にあった。
八王子市内で刺身で有名な『スーパーイシカワ』さんが、
「これなんて言うの、カサゴのように見えるけど、ちょっと違うしね」
そしてフレンチのシェフが、
「箱には“がや”だってさ」
なんなのかわからないのだから、手がでない。
それで「エゾメバルだよ、うまい魚だと思うよ」と一声かけてやる。
ここからはあっという間に荷(発泡の箱)はすっからかんになる。
ことほどさように魚の名前さえわかれば売れるし、利用されるのだ。
これを二本ほど買ってきて、まずは水洗い、そして塩を振り、鰭に塩をまぶしつける。
そして肝心なのがワタを出した腹の中に、塩をこすり込むのだ。
シッポのあたりに串を打ち、逆さまに吊して、2、3時間寝かす。
これを遠火の弱火で、ゆっくりあぶる。
ここまでの工程でおわかりいただけただろうが、ようするにエゾメバルは鮮度落ちが早く、その原因は少々水っぽいのだ。
「そんなことはないだろう」と北海道の方は思われるだろうけど、関東まで来るとクロソイや「まぞい(タヌキメバル)」と比べると、鮮度は明らかに悪い。
だから少々水抜きしてやるのだ。
「じゃあ、開いて干物にしたらいいだろう」と言うのは短絡的。
むしろすかすかになってしまう。
ただし、これもうまいと言えばうまい。
そこへいくと、開かないで、ジワリと焼くと、表面が香ばしくぱりっと崩れるようで、中は芳醇な味わいを残す。
「また“がや”食いたいね」
なんて気持ちになる。
北の海ではまとまってとれる魚だし、工夫次第ではうまいのである。
近年、不況のせいか珍しい魚が関東にこなくなっている。
“がや”なんて珍しい部類ではないのだけどね。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、エゾメバルへ
http://www.zukan-bouz.com/kasago/mebaru/ezomebaru.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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目先を変えてフクトコブシのムニエル
おはようございます。
ガヤですが、鮮度が少し落ちたようなら、是非唐揚げに甘酢あんかけで♪
小型のものは、よく頭からバリバリ食べました。大きなものは、頭からはきついかもしれませんが。何故か、甘酢あんかけが良く合うように思います。是非一度お試しを!
もちろん、焼いて食べるのは大賛成ですけど。