これぞ定番料理、面白くないけどうますぎます。カイワリの塩焼き

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 相模湾では「角鰺(かくあじ)」と呼ばれ、地元の魚やなんぞでは、なかなか高級なのがカイワリ。
 これが流通にのってしまうと、とたんに安くなる。
 ある意味、「安いのにうまい」という買い手にとっては重宝な魚であり、まあ見つけて買わないなんてボクには出来ない相談だ。

 さて、刺身にしてよし、と思って買ったのだが、買った当日が忙しすぎた。
 翌日となって、まだまだ刺身でもいけるが、ここは素直に塩焼きにしようではないかと思い至るのだ。
 水洗いをして、水気をよく拭き取る。
 腹の辺りに切れ目をいれて、振り塩をする。
 ワタを出した腹腔に塩を指でこすり込むのも、コツなんですね。
 また化粧塩というのがあり、鰭などにぼてっと塩をまぶしつけるのだけど、これは決して伊達じゃない。
 これも塩焼きのコツのコツだと思うのだ。
 例えば、強い塩気を感じる鰭自体がうまい。
 鰭が焦げるのを防ぐ。
 もしも塩加減が弱ければ、食べるときに補ってくれる。
 それに塩焼きのあとに骨湯というのをやるとしたら、この化粧塩がこれまた非常に利いてくるのだ。
 さて、振り塩して一時間くらい置く。
 魚焼き器に耐熱煉瓦を置き、金ぐしを売って、後はこんがりと焼き上げる。

 焼き上がったばかりのカイワリは、まことに香りがよい。
 身をおもむろに手でアツツといいながら割り、このような手早に食うべき料理は、手早にくうのだけど、身の適度に繊維質で、口の中でホロホロと崩れていくのが快感を呼ぶ。
 甘味というか、芳醇な旨味がいっとき押し寄せるのもいい。
 カイワリを食うたびにカイワリの塩焼きはうまいのだな、と痛感することになる。

 さて、あらかた食べたら、化粧塩した鰭を囓りながら、酒を飲む。
 今回の酒は鳥取県智頭町の「諏訪泉純米吟醸」。
 カイワレの塩焼きに合うようだ。

ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、カイワリ
http://www.zukan-bouz.com/aji/hiraaji/kaiwari.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/


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コメント(5)

 カイワリを焼いた魚焼き器に敷く「耐熱煉瓦」に興味を持ちました。でもイメージがわきません。どのような大きさ、厚さの煉瓦をどのように敷くのでしょうか。美味しく焼けるということなんでしょうか。是非ご教授下さい。

淡路島ではメッキ、またはメッキアジと呼んでいますね。うまいですよね。

はじめまして。市場魚貝類図鑑に検索で出会って、このブログを知りました。市場魚貝類図鑑の記事をリンクさせていただきましたので、お知らせのつもりでTBしましたが、じゃまでしたら削除してください。

これからもいろんなお魚プラスα記事を楽しみにさせていただきます。

はじめまして。
こちらの図鑑はよく参考にさせてもらっています。が、ブログがあったなんて、気がつきませんでした。
ところで、カイワリというんですか。
メッキアジという名前しか知りませんでした。所変われば、名前も変わりますね。
おいしい魚ですね。
徳島の阿南出身(現在徳島市在住)

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トーボさん、これは近所のスーパーに売っていた背の低い煉瓦です。耐熱と書いてあります。これを串の台にするだけです。
おたまさん、okeraさん、「めっき」という地方は多いですね。

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このページは、管理人が2008年10月24日 11:46に書いたブログ記事です。

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