イボダイは多くの地域で「しず」、「しす」などと呼ばれる。
関東では「えぼだい」。
これは東京などでは「疣(いぼ)」のことを「えぼ」と発音したため。
頭にある黒い斑紋が目立ち、粘液が出るのでこの名がある。
べたべたして地味だが人気の高い魚。
我が家では本種を季節感なく買ってしまう。
秋が来て、春から夏にかけてさんざん食べていたのに、手に取ると、これが久しぶりである。
産地は愛媛県らしいが、すでに箱もパーチもない。
今回のイボダイは恐ろしく鮮度がいい。
これはこの国の季節が進み、気温が下がり、冬が到来したこのの証拠である。
我が故郷徳島県では、これを酢締めにする。
酢締めにして姿寿司などに作るのだけど、今回は単純に塩焼きとした。
魚を買い求めると、なぜか頭に浮かぶ料理があって、そこに一定の法則があるわけではない。
ようするに私の欲求するところが塩焼きというだけだ。
イボダイは午前中に振り塩をしてしまう。
そのまま夕方になり、表面の水分をぬぐい取り、強火の遠火で焼き上げる。
塩焼きとはまことに単純な料理であって、しかも和食の最たるものなので、香辛料は皆無。
脇に大根おろしを添えて、後は手づかみで食べる。
そのため塩焼きを食らう間は盃が動かない。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、イボダイへ
http://www.zukan-bouz.com/suzuki/ibodai/ibodai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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名古屋市『以ば昇』の櫃まぶし 01