「いちばん好きなエビはなんですか?」と聞かれるとする。
そしてよーく考えてみると、いつも違う種類のエビが頭に浮かんでくる。
主に生で食べるタラバエビ科(甘エビの仲間)ばかりが浮かぶこともあり、輸入もののロブスター(ウミザリガニ)なんてこともある。
やっぱりクルマエビに限る、と閉鎖的な思いに駆られることもあるから不思議だ。
ことほど左様にボクの味覚力なんてあやふやなのだ。
最近ではますます、食い物を食らうに、まっさらさらの素の状態でいたいものだと思っている。
固定的な考え方に凝り固まった「食通の知識」のなんと愚かしいことよ、バカバカしいことよ。
世に言う、食通のなんと存在理由の薄いことか。
ときどきテレビでもっともらしい話を聞いていると、世も末だななんて考えますな。
食べ物は、できるだけ、本能のおもむくままに味わっていきましょうよ。
その本能が歓喜されたのが島根県浜田市浜田公設水産物仲買売場でかった魚貝類。
浜田漁港の前にある無骨な建物で、地元でも知らないという地味な市場だ。
その知る人ぞ知る市場で買ったのが大量のウチワエビ。
トロ箱いっぱいが3千円ほど。
なかに入っているウチワエビの数なんてとても数え切れない。
これを買い求めて、自宅に送って、さすがに多すぎるのであちこちに配り。
我が家にある鍋を総動員。
塩ゆでが山のようになってしまった。
これをかたっぱしから食べていくのだけど、食べても食べてもうまい。
ウチワエビは比較的とれる量が少なく、どちらかというとローカルな味だろう。
水揚げ港のある街の人がこっそり食べている。
築地で見る回数からしても、地方地方の隠れ味。
それにしても、この甘味と芳醇な甲殻類の香りはなんぞや。
大山を制覇して、築地で浜田の数倍の値段で見つけても、また買ってしまおうか、と思ったほどだからウチワエビはうまいね。
厳冬期になって、浜田でとれる魚も移り変わってきている。
そう言えば冬の方が浜田にあがる魚の魅力は大きいのだった。
浜田市の魚に興味がある方は市役所で聞いて頂きたい。
浜田市
http://www.city.hamada.shimane.jp/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、ウチワエビへ
http://www.zukan-bouz.com/ebi/semiebi/utiwaebi.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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