金沢近江町市場大松水産の「白ばい」のお刺身

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 昨年から旅に次ぐ旅である。
 毎月のように旅に出て、その土地土地の産物を見て回っている。
 もちろんあくまでも仕事であるために、疲労困憊しながらもうまいものをできるだけ食べて、お土産も欠かさない。
 ボクがよく旅をしていると聞いて、「さぞやうまいものを食べてくるんでしょうね」なんて言う人がいる。
 特に市場を見て回ることが多いので「おいしい魚いっぱい食べたでしょう」と思われているようでもある。
 残念ながら、市場で見かける素晴らしい魚、地元の人は食べられても、ほとんどの地域で旅人のものじゃない。
 なんと、旅先で店に入って、いざ地物を食べたいと思っても、いきなり養殖カンパチ中心の刺身が出てきて、悲しいやら、情けないやら。
 旅人が食べたいのは、地の魚なんですと言っても、「メニューに載せられませんから(毎日はないから)」なんてアホな理由で、陸送(よこから持ち込んだ)ものの魚が出てくるのだ。
 写真付きの品書きなどを作っている料理店がある。
 品書きを印刷しているところも多々存在している。
 割烹料理店などとうたっているのに出す料理を固定しているのだ。
 このような愚かしいことはファミレスだから許されるのだ(最近はファミレスだっていろいろ工夫している)。
 普通の料理店がファミレスの真似をして勝てるわけがない。
 まともな割烹料理店はそんな下等で下品な行為はやめるべきだと思う。

 金沢では老舗の食堂『寺喜屋』でうまい地魚が食べられた。
 しかもたっぷり、当然、幸せな気分になった。
 その上、お土産に買ったお刺身がよかったのだ。
 多くの町で地魚を飽食するなんて高望みなことは不可能となっている。
 「いやいや探せばありますよ」と言われるかも知れないが、旅人には無理、旅人が歩くような場所に限ってろくな食い物がない。
 そこへいくと金沢はすごいぞー。

 ボクが思うに、各地の料理店などで地魚をふんだんに食うのは難しい。
 むしろ町の普通の魚屋さん、市場、スーパー、ときにデパートなどにはふんだんに地魚の刺身が売られている。
 最近の交通事情を鑑みると、帰宅に要する時間はますます短縮傾向にある。
 氷を入れてもらって、水漏れしないように包装していただくと「お土産に刺身」というのも難しくないのだ。
 ということで最近では地魚はお土産で、という仕儀となっている。

 金沢と言えば天下に名だたる近江町市場。
 この市場観光客向けの面もあるにはあるが、未だに金沢の台所、すなわち“ケ”の市場としての機能を充分果たしている。
 今回の大松水産にも地元客がいっぱいいたのだ。
 そこで見つけたのが「白ばい」の刺身用パック。
 「白ばい」の標準和名はエチュウバイ。
 越中富山だから「富山でたくさん揚がる」と思いきや、主な産地は山陰である。
 今回の「白ばい」も地物ではないようだが、金沢には日本海中からエッチュウバイなどが集まってくる。
 日本でいちばん「白ばい」が好きな県と言ってもいい。
 だから金沢で「白ばい」を買うのは妥当なのだ。

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 小振りのエッチュウバイ4個、ワタを取り去り、よくよく滑りを揉み出してきれいである。
 脚とワタの中間にあるヒモまでていねいに添えられているのがうれしい。
 値段を失念したのが返す返すも大失敗だが、「安いな」と思ったのは間違いない。

 金沢から4時間以上掛けて帰宅。
 適当に刺身状に切るだけで、忙しかった旅最終日のボクの酒の肴となった。
 エッチュウバイ(エゾバイ科エゾバイ属)の旨さは甘さである。
 エゾボラ類(エゾバイ科エゾボラ属 いわゆる真つぶなど)がコリコリした食感を楽しむのに対して、旨味甘みを楽しむ。
 酒の肴としてしみじみこの旨さを堪能するとともに、「関東ではなぜエッチュウバイの刺身を食べないのか」不思議で仕方ない気持ちになる。
 さて、改めて書くけど金沢大松水産の「白ばい」の刺身はうまい!

大松水産
http://www.daimatsu-suisan.co.jp/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、エッチュウバイへ
http://www.zukan-bouz.com/makigai/ezobai/aniwabai/ettyubai.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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コメント(4)

値段、おおよそですみませんが、600円ぐらいだったと思います。
(本文でないので許してもらえるでしょうか?)
捌いて4個の値段としては安いな、と私も思いました。
島根でも白バイは刺身として好んで食べますが、良いものは金沢に送られているようです。

よい店が多く、賑わっていて近江町市場、いいですね。私も出張の度によって、旅費を節約した分で買い物をしています。

白バイも何度か買ったことがありますがおいしいですね。よく行く店は一念大助と米崎です。

再開発ビルへの入居がそろそろはじまるのでしょうか、雰囲気は随分変わってしまうでしょうね。

ファンになっちゃいました。価格比較に関するサイトを運営していますので、よかったらいらしてください。

金沢に行くと寺喜屋さんに行きます。
昔はお魚やサンだったですね。
白バイ初めて食べたのが金沢だったように記憶しています。
懐かしく、そして金沢に行きたくなりました。

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このページは、管理人が2009年2月14日 06:38に書いたブログ記事です。

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