島根に行って、出雲人と「野焼き」の話をする、その鬱陶しいことったらない。
いちばん煩わしいのが、ある1店舗の蒲鉾屋を「うまいね」なんてことを、つい漏らしてしまったときの彼らの反論である。
必ずや否定する。
「あのですね。●●屋はそんなにええと思われんですね。他県の方は野焼きの本当の旨さがわかっちょらんのですわ。●●町の●●屋のを食べたら、他は食べれんと思います」
そう言えばそんなことを言う出雲人に限って、うまい野焼きを送ってくれた試しがない。
さて、野焼きの歴史とかを詳しく語っても、これもまた煩わしいので、簡単に。
夏になると、日本海を西南から東北に回遊してくるのが、「アゴ」、すなわちホソトビウオだ。
それこそ大量にくるのを、煮干しに、また干物にと加工するのだが、とにかくたくさんとれるので、すり身にしてしまう。
これを棒状の物に、くるくる竹輪状にして、焼いたものが「あご野焼き」なのだ。
「野焼き」とつくのだから、その昔は露店で焼いたものなのだろう。
この野焼き製造過程を我ながら見てみたいものだと思う、そして焼き上がったばかりの野焼きにかぶりついたら、どんな味なんだろうね。
想像するだけで腹が立つほど、唾が沸き上がってくる。
「こら出雲人、責任とれ!」
当然、これほど出雲人が愛して止まない野焼きだから、出雲地方には膨大な数の野焼き製造メーカー(店)が群雄割拠する。
ボクなど他県人は、とにかくうまそうな野焼きを食うしかないのだけど、今回の『岩永邦商店』あご野焼には感動した。
裏面を見ると「とび魚(あご)を70パーセント以上使用している」と書かれているけど、そのせいだろうか?
それ以上に味わい深く、またその旨さが殷々と続く。
加うるに適度な歯切れ感、弾力。
文字で書く以上にうまい「あご野焼」なのですよ、と断りをいれたいくらいだ。
これで270グラム一本600円ほど。
使っているトビウオ類(主にホソトビウオ、ツクシトビウオも混ざる)の数からして「安いな」と思わざる得ない。
2009年2月16日
岩永邦商店 島根県出雲市大社町杵築南1382-13
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、マルトビウオへ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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先週から諸々のこと
ぼうずコンニャクさん、
brug43と申します。オランダに20年ほど住んでおります。
ここ1年ほどボウズさん一連のブログを楽しませて頂いて
おります。本当にいいブログですね。読んでいると、私には
ボウズさんの「夢」が見えるような気がします。
雑念に捕われず、まっすぐ目標(夢)に目を据えていらっ
しゃる。お若いのにすごい!
あ、生意気な書き方をしますが、私の年齢はボウズさんより
一回りほど上です。ご容赦ください。
このアゴ野焼き竹輪のことで、いい思い出があります。
記憶と理解が正しいかを確かめたくてヤマトシジミさんの
サイトに質問を入れてしまいました。
ヤマトシジミさんからご返事を頂いてから、ブラームスでも
聞きながら、ハミングして、別なコメントを書かせて頂き
ます。
今後ともよろしくお願いいたします。
こんにちはぼうずコンニャクさん
先日の築地土曜会では大変お世話に
なりました。また次回も参加出来る
事を楽しみにしております。
八王子にもまた顔出しさせて頂きますね!
おお!掲示板に話題に挙げられた
あご野焼きじゃあーりませんか!
お気に入りなようですね。
米子在住時にはよく頂きました。
しかしながら感動する程、旨いもの
には巡り合う事が無かったですね。
またコメントさせて頂きますね!
>「あのですね。●●屋はそんなにええと思われんですね。他県の方は野焼きの本当の
>旨さがわかっちょらんのですわ。●●町の●●屋のを食べたら、他は食べれんと思います」
> そう言えばそんなことを言う出雲人に限って、うまい野焼きを送ってくれた試しがない。
だ〜か〜ら〜、次に来られたときにはかならず●●屋のを食わせますから。
→あっ、私じゃなかったですか?