煮貝の「貝」はアワビなのよ

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 三多摩地区に住んでいると、山梨県はまことに、ほんのお隣。
 八王子市街を抜けて、高尾山を縫い、相模湖を見て、神奈川県をかすめて、ほんの数十分で山梨県到着。高速だったらなんと20分もあれば山梨県の看板を見る。
 山梨名物が「煮貝」である。「貝」はアワビのこと。駿河湾であがったアワビを、くさらないように醤油に漬け込んで運んだ、それがとてもうまかったので、甲州名物煮貝となったらしい。
 まあ、山梨に近く住んでいるので、ついつい煮貝を作ってしまうというのは牽強付会だけど、とにかく我が家は「煮貝」が好きですきで困っている。

 今回のものは福岡県だろうから来たトコブシにメガイアワビが混ざっていて、これを2個だけ買ってくる。
 キロ当たり3800円で、支払いは千円でおつりがきた。
 持ち帰り、汚れを落として、鍋に放り込む。
 酒と水半々を加え、塩と濃い口醤油で味つけ。
 鍋に蓋をして、ことことアクを取りながら煮て、また蓋をしてことことたく。
 出来上がったら蓋をしたまま、夕方まで待つのだ。
 こんな簡単な料理はないだろう。

 メガイアワビの身を貝殻から取りだして、適当に切り、また貝殻にもどす。
 煮た汁をかけ回して、見事な煮貝の出来上がりだ。

 これはあくまでもボクの酒の肴なのだけど、老若男女嫌いという人はまずいないだろう。
 だから食卓に出すのはあらかた食事の終わったとき。

 口に放り込むと、この軟らかなアワビの身からジワリと甘みがくるのだけど、その甘みが微かな渋み(旨味)と合わさって舌に口腔に引っかかる。
 アワビのうまいのがぱーっと広がって、また食感がいいので、ながながそれが噛むことで続く。

 これぞ天からさずかった美味。
 世の荒波をひととき忘れてしまうのだ。
 
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、メガイアワビへ
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ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
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このページは、管理人が2009年4月26日 14:25に書いたブログ記事です。

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