急に暖かくなり、並木のアメリカハナミズキも散ってしまった。
ツツジも野イチゴの花も、そろそろ盛りを終えて、初夏の花、エゴのつぼみが膨らんでいる。
なんだかポカポカと気持ちいい。
こんな時期になると、近所の農業の師匠・旗野さんの畑に行きたくなる。
日野市にある数少ない専業農家、旗野農園ではイチゴが終わり、トマトの収穫期となっている。
最近の品種を食べてみる限り、トマトは5月がいちばんうまい。
畑をそれこそ死にものぐるいでやっていたころに、たどり着いたトマトの旬は5月から梅雨前。
例えば古い品種・ポンテローザだって、実際に作ってみると真夏ではなく、初夏までに出来た物がうまいのだから、トマトは猛暑がきらいなんだろう。
ハウスがあって初めて素晴らしいトマトが出来るのも、畑で覚えたことだ。
ちなみにハウスは加温のためというよりもトマトに対しては雨よけだ。
トマトに関しては、いかに水分をやらないかが「うまいトマト」を作る決め手だ。
旗野農園で、旬のトマトを買う。
暖かいので成長が早く、収穫が遅れると、大きく成りすぎたり、ムクムクとあっちこっちが膨らんで歪になる。
これを旗野農園では「キズトマト」といって安く売っている。
面白い物でちゃんとした形のものよりも、筋がいくつも走っていて、凸凹した方が甘みも香りも強く思える。
これを築地場内で買ってきたマグロ(いろんなのが混じっているそうだ)と合わせる。
ボクはこれを「トンノマリネー」と呼んでいるのだけど、フレンチ・イタリアン混合の造語なので、深く追求しないで欲しい。
マグロは筋の多いところを取り去る。
ボウルに放り込んでやや多目の塩を振り込む。
少しおいておくと汗(水分)が出てくる。
これをよく拭き取る。
ボウルはそのままでここにトマトを切り込んでいく。
ていねいに作るなら皮を剥き、種を抜いた方がいい。
そしてピーマンを加え和える。
これを冷蔵庫で冷たく冷やすと出来上がり。
野菜はピーマン、玉ねぎ、ルッコラ、セロリ、ズッキーニ、エストラゴンがあってもいい。
ただトマトがあくまで主役なのでトマト5に対して他の野菜は1〜2くらいまで。
冷えたら、塩コショウで味をととのえ、レモンを絞り込む。
子供抜きならタバスコがあると一際うまくなる。
これが我が家の「めちゃくちゃ簡単」なサラダ。
子供が好きで好きで、なかなか大人まで回ってこないと言う、ある意味残念な初夏の味だ。
2008年5月9日
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑(いちばぎょかいるいずかん)へ
http://www.zukan-bouz.com/
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