7月10日、午前6時過ぎ、タクシーで土砂降りの室蘭魚市場に到着した。
守衛さんに止められて、入館バッヂ渡される。
近年こんな厳格な市場も珍しい。
市場までは距離にして100メートルほどを走ろうか? ずぶぬれになる、と思っていたらタクシー運転手さんが「乗って行きなさい」とドアを開けてくれた。
北海道なのにTシャツ一枚で寒くない。
暴風雨である。
市場に入ると宮森水産の伊藤さんが出迎てくれる。
この天候では魚の入荷はダメかなと思ったら、豈図らんやずらりと魚が並んでいる。
「今日はこの天候なので、少ないんですけど、明日はもっとないと思います。今日でよかった」
伊藤さんがすまなさそうに話す。
「ここが室蘭の浜となんです。水揚げする場所なんですよ」
競りに参加する伊藤さん
ここでたっぷりの魚を見て、たっぷりウニ(キタムラサキウニとエゾバフンウニ)を食べさせてもらった。
このウニのなんといううまさ。
これは“がぜ”、エゾバフンウニ。この生きている殻つきのウニの味。名状しがたい
小樽、札幌で食べたウニはなんだったのか?
室蘭魚市場で見たの真カスベ(メガネカスベ)、オヒョウ、カジカ類、マスノスケ、などいろんな課題がここに見いだせる。
魚貝類を研究していると、心躍るときなのだ。
そういえば、普通の旅行とはどんなものなんだろう。
生まれてから、それほど観光旅行というのをやったことがない。
旅は常に自分に課題を残すことはあっても、行楽ではない。
市場飯は、伊藤さんに市場飯をごちそうしていただく。
ごちそうになった『いこい食堂』のご飯はまことにうまかった。
伊藤さん、ならびに宮森水産さんには感謝のしようがない。
その後、『日の出町共同売り場』、『丸三市場』を見て回る。
『日の出町共同売り場』では北海道産サクランボ、ニシン漬けなどを買い求める。
八百屋さんでイチゴを買いたいと言ったら、とても東京までは送れない、と断られる。
この2つの民間市場、とても楽しい、心温まる市場だ。
また来たいものだと、切に思う。
いっとき雨あしが途切れる、鷲別駅を目差す。
歩くうちに雨あしは強く、風が横殴りに吹いてくる。
鷲別駅にたどり着くとへとへとになる。
暴風雨のなかほんの十数分歩く、この大変さはだれもわかないだろうな。
鷲別駅から登別温泉駅まで、そして虎杖浜駅に向かう。
登別温泉駅には不安そうな観光客が駅員と話している。
函館本線、森駅近くで線路が冠水。
特急などが運休しているという。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
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土曜日は市場から始まる