福島県相馬市原釜『八巻水産(ヤ印)』から小型のサメガレイがたっぷり入荷してきている。
サメガレイは大きくなる魚で70センチ、ときに90センチくらいになる。
表側(右側)の黒く鮫肌のごつごつした手触り、裏側は薄汚れた羽二重のようで、しかも粘液をたっぷりまとっている。外見から鮮度がうかがい知れないのもあって、関東では鮮魚でくると人気がない。
「気持ち悪りーなーー」
市場では、だれも手を出さないのだ。
このサメガレイの値段がキロあたりたったの500円なり。
1尾400グラム弱だから、2尾買っても400円で税込みおつりがくる。
サメガレイは買い求めたら、よーくよーくぬめりを落として持ち帰る。
その外見の悪さとは裏腹に5枚に下ろした中身のきれいなこと。
この下ろした身と、外見のギャップが大きいのがサメガレイの最大の見せ場だ。
付け加えるなら、魚の知識がこういった場合に生かされる。
知っている、という強みはこんなときに発揮されるのだよ。
なにもつけずに食べてみると、シコっとした食感で旨味に欠けることは欠けるが、悪くない。
この冊取りしたのを適当に切り、ミョウガと青じそ、ショウガの千切りを合わせる。
からし酢みそを添えて、出来上がったものが「沼田(ぬた)」なのである。
子だくさんの我が家にあって、意外や意外な人気料理があって、それがぬたなのである。
ボクが一杯やるために作っているのに、卓上での存在時間が短過ぎるのだ。
それで最近ではからしをうんと利かせるのだけど、それでも「父ちゃん辛いけどうまいね」なんて箸を出す。
白みそで作った和え衣にシコっとしたサメガレイ、香辛野菜のさわやかな香り。
まことに夏の酒肴としては天下一品。
今度はもっとからしを増やして作ろうか。
サメガレイのぬたの作り方
1 サメガレイのぬめりをよくよく取り去り、水洗い、5枚に下ろす。
2 適当に切り、ミョウガ、ショウガ、青じその千切りとからめておく。
3 からし酢みそを作る。白みそ(西京味噌)、酢(我が家では山吹)、砂糖を適当に混ぜるだけ。甘みにみりんを使ったり、だしで泥酢風に作る向きもあるが、味わいが重くなるだけ、無駄なので一般家庭ではさわやかにやろう。
4 サメガレイとからし酢みそを盛りつけて、食べる直前に和える。
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑、サメガレイへ
http://www.zukan-bouz.com/karei/karei02/samegarei.html
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑
http://www.zukan-bouz.com/
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
http://www.zukan-bouz.com/
中華『さくら』の白貝の野菜炒め 後の記事 »
白貝でライスカレー